第294夜 ページ14
ーNosideー
「ソロモンの知恵!」
アラジンの額に八芒星が浮かび上がる。
その光はツクヨミを明るく照らした…。
真っ黒なツクヨミのルフの中を、アラジンはあたりを見渡しながら進んだ。
「…ツクヨミさんはどこだろう。
早く話をしないと、ツクヨミさんも…ドゥニヤおねいさんのようになってしまう…」
少し焦りを見せながらツクヨミを探した。
しばらく進むと、黒い塊に囚われ、上半身だけ飛び出した状態のツクヨミの姿を見つけた。
「ツクヨミさん…!」
アラジンは慌てて駆け寄り、意識を無くした彼の体を引っ張ってみる。
が、いつかザガンで見た木に変えられた人のように、ツクヨミの体は黒い塊と一つになりかけていた。
「このままひとつになってしまったら、あの世界のようになってしまうかもしれない…!
どうすれば…」
とアラジンが呟くと。
「…るせぇな…」
と、ツクヨミの声がこぼれた。
「ツクヨミさん!
早くここから出よう、このままだとツクヨミさんはヒトに戻れなくなってしまうよ…!」
「…知るかよんなこと。
どーでもいいんだよ」
アラジンは必死に説得を試みるも、ツクヨミが関心を持った様子はなかった。
だが、アラジンは彼を止めないわけにはいかなかった。
そうしなければ、今後何が起こるか…その可能性を秘めているか、アラジンは知っていたからだ。
「ごめんよツクヨミさん。
君が嫌でも僕は君を止めなければいけない…、ソロモンの知恵!!」
再びアラジンの額の八芒星が光り輝き、ツクヨミを照らす。
「チッ、勝手なことしやがって…!!」
八芒星の光を見て、憎らしげに眉を顰めてそうつぶやいた。
(Aおねいさんや十六夜お兄さんたちも、きっと何があったか知りたいはず…!)
「…どう、なったんだ…?」
そうつぶやいた十六夜は、動きを止めたツクヨミと、突如意識を失いアリババに抱えられたアラジンを交互に見た。
「アラジンは今、ツクヨミの中にいるんだ」
戸惑う十六夜に、Aはそう言った。
「中にってどういう…?」
さらに戸惑った時、
『みんなもこの人の記憶を見ておくれ…!』
と、突如アラジンの声が頭の中に響いてきた。
その直後、抱き抱えられたアラジンの額の八芒星が再び眩しく光る。
直後、その場にいた全員の頭の中にツクヨミのルフの記憶が流れ込み始めた。
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北狐(プロフ) - ユメさん» コメントありがとうございます!そうなんですか!!そうなんですか!!もちろんですよー!!(*´>ω<) (2021年7月2日 12時) (レス) id: 77f9ebe255 (このIDを非表示/違反報告)
ユメ - めっちゃ面白かった!北狐さん!私もマギ好きなんです!もしよければ友達になってくれませんか? (2021年7月2日 9時) (レス) id: c40c3ba588 (このIDを非表示/違反報告)
北狐(プロフ) - なこぞうさん» コメントありがとうございます!えええっ、嬉しいです…!pixiv版では内容少し変わってくると思います…!向こうは更新ゆっくりかと思いますが、そちらもぜひよろしくお願いします! (2021年6月7日 21時) (レス) id: 77f9ebe255 (このIDを非表示/違反報告)
なこぞう(プロフ) - はじめまして!なこぞうと申します!pixivからきました!ものすごく面白くてリメイク版の方ですが一気読みしてしまいました(汗)更新頑張ってください!応援してます! (2021年6月7日 13時) (レス) id: 55f0d7c163 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:北狐 | 作成日時:2021年4月26日 22時