42/それぞれのおめかし(個性) ページ42
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【A視点】
───夢を見ていた。
「ちょっと! 何やってんですかこんなところで!」
「また二日酔いかヨ。いい加減酒臭いアル」
「銀さん!」
「銀ちゃん、」
とっても幸せそうな三人家族の夢。
家族にしか見えないのに、髪色も顔立ちも性格も全員が全員バラバラで足並み揃わないような三人だ。
銀さんって、銀ちゃんって。
この銀髪の男は、一体誰なんだ。
親近感を覚えてしまうのは───
「……なんで……」
「さぁ。私も知りたいです」
目を開けると間近に松陽の顔。
「おはようA。今日は四人でお買い物ですよ」
「………」
途端にフラッシュバックしたのは、
昨日ちよちゃん達と話した恋バナの内容。
"松陽のお嫁さん"というパワーワード。
……ブワリと。全身が熱くなるのを感じた。
布団から転がり出、壁まで一気に後退する。
「おおおおおっお、おはおははよう松陽! か、かか買い物って、高杉とヅラと私と松陽の四人ってことと、こと?」
ガチガチ舌を巻き込みながらも何とか平静を装ってそう聞いた。
いや、なんかもう色々とバレバレで手遅れな気がしないでもないけど、あの距離はダメだ。近すぎた。
「そうですよ。街に遊びに行こうと珍しく二人が提案してくれたので、Aもおめかしして刀は置いて、存分に楽しんでくださいね」
「えっ、いや、刀は……ってアレ?」
枕元に置いて寝たはずが、無い。
「残念。お探しの物は銀君がついさっき咥えて持って行っちゃいました」
「クソ猫ォォォ!!」
にこにこ笑顔で廊下を示した松陽の指に従い、部屋を飛び出した。
あの刀が側にないと落ち着かない。
なんかこう、なんて言うかこう、
服を着てないような感じがする。
「くっそあのバカ猫どこ行きやがっ」
「うおっ!」
「あだっ!?」
角を曲がろうとしたら何かにぶつかってしまった。
どこの少女漫画だよ全く……、思いつつ強打した尻を擦りながら上半身を起こすと。
割烹着姿のヅラが立っていた。
「………」
「Aっ、すまない。大丈夫か?」
「いや、大丈夫っていうかお前何その格好。どこのお母さん?」
ヅラに手を借り立ち上がる。
答えを聞く間もなく後ろからまた、新たな刺客が登場した。
「ようやく起床か。さっさと支度しろ」
そこには紫のスーツに身を包んだ高杉の姿が。
「………」
「聞いてんのかA」
「いや、聞いてんのかっていうかお前何その格好。どこのホスト?」
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佑依佳 - すごく良かったです。パスワードを教えてくれませんか (4月15日 10時) (レス) id: 4b4e019a12 (このIDを非表示/違反報告)
LIARPIERROT(プロフ) - こちらの作品のパスワードは作者様が作者ページに掲載してらっしゃいます。確認してからコメントしましょう。 (12月21日 20時) (レス) id: 7068d0a9b2 (このIDを非表示/違反報告)
茜 - 初めて読みました。とても感動して続きを読みたいと思いました。なので続きを読ましていただきたくパスワードを教えてくれないでしょうか?これからも頑張ってください!! (11月19日 15時) (レス) id: fd0a1b2f31 (このIDを非表示/違反報告)
菖蒲 - 続きを読みたいのですが、パスワードを教えてくれませんか? (10月20日 12時) (レス) id: de6a447dfa (このIDを非表示/違反報告)
白虎 - 続きを読みたいのですが、パスワード教えてくれませんか? (8月16日 23時) (レス) @page3 id: ec81a6d504 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:糸針 | 作成日時:2018年9月21日 23時