43/出掛け先でのおめかし ページ43
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【A視点】
「お前らのおめかし個性強すぎてもはやコスプレに見えてきたわ。お前らのおかげで私の脳内コミックマーケットだよ、それぐらいのパニックだよ」
松陽の後ろをヅラ、私(頭の上にバカ猫)、高杉で並んで町を歩く。
流石に割烹着と紫のキラキラスーツはねェだろと松陽と説得し、いつも通りの着流しに戻ったがインパクトが強すぎてまだ瞼の裏にこびり付いてやがる。
周りを見てもそんな奇抜な格好してる奴はいない。
本当に着替えさせて良かったと思った。
「自信のおめかしだったのだが、Aと先生にアレだけ否定されてしまうと……」
ヅラがぼそっと零した。
「小太郎、あれも君達の個性で君達にとってのおめかしです。それはAも私もわかっていますよ。でもね、あれでは」
笑顔で振り返る松陽。
「確実に浮きます」
「いやフォローになってねェよ」
「にゃ」
予想の斜め上をいく言葉に、思わず突っ込んだ。
そこは流れ的に慰めの言葉がくるんじゃないのかよ。そんな顔で松陽を見上げていたら今度は緩く笑って、あるお店を指差した。
「それにおめかしは家だけでするものじゃありませんから」
松陽の指の先には『雑貨屋さん』があった。
「にゃー!」
銀だけが嬉しそうな声で鳴いた。
ペシペシと私の髪の毛をドラムのように叩き、喜びを表現する。そんなに嬉しいのか?
「気に入ったものがあれば私に言いなさい」
「いいんですか先生?」
「金がカラカラだのと、先日バカがバカみたいに言ってなかったか」
「誰がバカバカだバカ杉」
「反応したってことは自覚してんだろバカ」
額を擦りつけながら唇をギュイッと曲げる。
私の煽り顔を真似した銀も、私の頭の上から高杉の頭をベシベシ叩いた。ナイスだ銀もっとやれ。
「何なら俺がバカのバカイテム見繕ってやってもいいぜ」
「バカ
「にゃぁにゃぁにゃい」
バチバチと高杉との間に火花が散り始めた。
そこに、私達を引き剥がす二つの手。
「そこまでだ」
「道の真ん中でみっともないですよ」
高杉をヅラが。私を松陽が。
「べー」
「こら」
高杉に向けて舌を出したら、突然松陽に抱き上げられた。
まさかの行動に私だけでなくヅラも高杉も目を丸くする。すぐそこに松陽の笑顔、体温、日向の匂い。
全身にまた熱がめぐった。
「煩い子は捕獲です」
「はっ、離せェェェェ」
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佑依佳 - すごく良かったです。パスワードを教えてくれませんか (4月15日 10時) (レス) id: 4b4e019a12 (このIDを非表示/違反報告)
LIARPIERROT(プロフ) - こちらの作品のパスワードは作者様が作者ページに掲載してらっしゃいます。確認してからコメントしましょう。 (12月21日 20時) (レス) id: 7068d0a9b2 (このIDを非表示/違反報告)
茜 - 初めて読みました。とても感動して続きを読みたいと思いました。なので続きを読ましていただきたくパスワードを教えてくれないでしょうか?これからも頑張ってください!! (11月19日 15時) (レス) id: fd0a1b2f31 (このIDを非表示/違反報告)
菖蒲 - 続きを読みたいのですが、パスワードを教えてくれませんか? (10月20日 12時) (レス) id: de6a447dfa (このIDを非表示/違反報告)
白虎 - 続きを読みたいのですが、パスワード教えてくれませんか? (8月16日 23時) (レス) @page3 id: ec81a6d504 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:糸針 | 作成日時:2018年9月21日 23時