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18/道場破り、膜破り ページ18

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【松陽視点】


「って事で道場破りてェんだとよ」


笑顔で玄関に出てみればいつにも増して仏頂面のAが立っていた。そして、その隣にはAの巾着を片手に持った小さなお侍さんの姿が。

用意していたおかえりなさいという言葉を、思わず忘れてしまうくらいのサプライズ。

それにしても、道場破りとはまた斬新な……。


「要所要所飛ばしすぎだ。もっと明確に説明しろ」

「明確にっつっても唐突に言い出したのはお前の方だろうが。どうやって説明しろってんだよ、めちゃくちゃ唐突に道場破ってやるとか啖呵切られたんだぞコッチは」

「まずはお前の荷物をここまで運んでやった俺に感謝するべきじゃねェのか?」

「話逸らしてんじゃねーよコラ。そもそも頼んでねーよ」


おやおや。いつの間にこんなに仲良しさんになったんでしょう。

互いの顔を至近距離で睨み合い、言葉という武器で殴り合うAとお侍さん。

言い合いはしているものの二人の間に目立った棘が無いことから、安心してそのじゃれ合いを見守ることが出来た。


「って、松陽。何でニコニコしながら見てるだけなんだよ」

「あ、すみません。戯れはもういいんですか」

「何が戯れだコノヤロー」


子犬のように吠えるAを宥めていると、お侍さんが重そうな巾着を廊下にポスリと置いた。

ムスッとAに目をやるお侍さんはお礼を待っている様子だった。


「ありがとうございます、小さなお侍さん」

「……あァ」

「Aもありがとうございました。今度こそは一緒にお買い物、行きましょうね」


巾着を持ち上げ、空いている手でAの頭を撫でると気持ち良さそうに目を細めた。


「次は女子に捕まるなよ」

「はい」

「じゃあ、私稽古場行ってくる」

「程々にね」

「待て」


廊下を駆け出そうとしたAの首根っこを小さなお侍さんがガシリと掴み、それを制した。Aの唇から「うげっ」なんて声がもれる。

また先程のようなじゃれ合いが始まりそうな予感。


「何しやがんだチビ………」

「俺は道場破りに来た。この意味、分からないとは言わせねェ。ここで一番強い奴出しやがれ」

「……お前に松陽は勿体無い」


少し間を置き、そう応えたA。


「お前には私ぐらいが適当だぜ」

「……。上等だ」


そうやって強く睨み合ったすぐ一秒後。

稽古場の方へ、二人仲良く走って行った。

19/俺より強い女→←17/銀髪+赤眼=嫌に目立つ



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佑依佳 - すごく良かったです。パスワードを教えてくれませんか (4月15日 10時) (レス) id: 4b4e019a12 (このIDを非表示/違反報告)
LIARPIERROT(プロフ) - こちらの作品のパスワードは作者様が作者ページに掲載してらっしゃいます。確認してからコメントしましょう。 (12月21日 20時) (レス) id: 7068d0a9b2 (このIDを非表示/違反報告)
- 初めて読みました。とても感動して続きを読みたいと思いました。なので続きを読ましていただきたくパスワードを教えてくれないでしょうか?これからも頑張ってください!! (11月19日 15時) (レス) id: fd0a1b2f31 (このIDを非表示/違反報告)
菖蒲 - 続きを読みたいのですが、パスワードを教えてくれませんか? (10月20日 12時) (レス) id: de6a447dfa (このIDを非表示/違反報告)
白虎 - 続きを読みたいのですが、パスワード教えてくれませんか? (8月16日 23時) (レス) @page3 id: ec81a6d504 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:糸針 | 作成日時:2018年9月21日 23時

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