17/銀髪+赤眼=嫌に目立つ ページ17
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【A視点】
例の神社で一悶着があってから、もう二度とあの場所をサボりに使わないと誓った。
そして、私の居場所を松陽に吐きやがったヤロー……ビビりで皆の間でも有名だった立花幸太郎はたっぷりシメておいた。
「おい、見ろよあの童」
「ヤダ……白髪」
「目なんて真っ赤よ」
───買い物中。
なんの前触れもなく飛んできた冷ややかな視線、侮蔑の言葉に歩みが止まった。
振り返ればビクリと肩を跳ねさせる。それはまるで、毒蛇に睨まれ恐怖からそそくさと逃げてゆく草食動物のようだった。
私は一応、こんなカラーリングでも人間だ。
………やっぱり一人で町におりるもんじゃないな。
「今度はちよちゃん達と来るか」
髪をボリボリ掻いて、そんな算段をたてた。
「一人で何してる」
「……、あ?」
不躾な背後からの言葉に苛立ちがまた募った。
どんなヤローか顔を見てやろうと振り返ると、数日前に見た面が立っていた。
「お前、低」
「高杉だ。アイツは一緒じゃねェのか」
高杉くんだった。
「アイツって、松陽のことか? 松陽なら女子勢に捕まってたから置いて来たよ。今になって後悔してるけどな」
「そうか」
───会話終了。
さっさと帰ろうと踵を返せば、ひょいっと軽くなる手元。
あれ? と。
右を見やると食料品でパンパンになった巾着を涼しい顔で片手持ちしている高杉くん。
「何してんの」
「お前こそ、こんな軽い荷物に手こずって不細工な顔して何やってたんだ」
ムカッ。
「手こずってないですぅトレーニングですぅ。不細工でもないです美少女ですぅ。お坊ちゃんは知らねーだろうが近頃はこういう新しいトレーニングが女子の間でウェストを引き締める効果があるとか何とか流行ってんだよ」
「この期に及んで自分を女だと言い張るのか。大したもんだな、発 情期なんて真顔で口にする女はお前以外に知らないが」
「私もお前のように男の癖に女とまるで同じ位置に肩があるチビは見た事がないね。寧ろ才能なんじゃねーの? その身長なら空き缶にも隠れられるよね。イイよねチビは」
「黙れバカ女。すぐにお前なんぞ追い越してやる。あと二年もすればお前を存分に見下ろしてるだろうよ」
「成長期に期待するなよ前に励ましたけどあれ心からの言葉じゃないから。ホントどーでもいいって思いながら言ってたから。てか着いてくんな荷物返せ」
「ハンパはやらねェ。お前の塾まで案内してもらうぜ」
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佑依佳 - 万屋よ永遠なれは書かないんですか (5月8日 10時) (レス) id: 4b4e019a12 (このIDを非表示/違反報告)
佑依佳 - すごく良かったです。パスワードを教えてくれませんか (4月15日 10時) (レス) id: 4b4e019a12 (このIDを非表示/違反報告)
LIARPIERROT(プロフ) - こちらの作品のパスワードは作者様が作者ページに掲載してらっしゃいます。確認してからコメントしましょう。 (12月21日 20時) (レス) id: 7068d0a9b2 (このIDを非表示/違反報告)
茜 - 初めて読みました。とても感動して続きを読みたいと思いました。なので続きを読ましていただきたくパスワードを教えてくれないでしょうか?これからも頑張ってください!! (11月19日 15時) (レス) id: fd0a1b2f31 (このIDを非表示/違反報告)
菖蒲 - 続きを読みたいのですが、パスワードを教えてくれませんか? (10月20日 12時) (レス) id: de6a447dfa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:糸針 | 作成日時:2018年9月21日 23時