7.果物 ページ7
「私の身は穢れています。あなたに救い上げて頂けなかったら、一生を闇のなかで過ごしていたにすぎない、本当に、価値のない、人間です」
そこまでを、中途どもりながらも告げた。
アリババさまが息を呑む。
「俺は、価値のない人間なんていないと思ってる。どんなに悪いことをしたやつでも、悔い改めることができればきっと、前を向いていける」
「だから、………」
揺れる眼と、寄せられた眉、彼の表情は、言葉以上に語りかけてくる。
「……アリババ、A。とりあえず、その話は今してしまわなくても、いい。」
アリババさまが持ってきてくださった果物を手にしているトトさんが、立ち上がって私たちの間に立つ。
「A。今は、お前は寝て、食って、元気出すことが第一。」
そしてトトさんは甘い匂いのする果物を、私の手に置く。
「アリババ、出るぞ」
ぐず、と鼻を鳴らしてアリババさまはトトさんに引きずられていった。
「………」
静かになった部屋で、手の中の果物をもてあそぶ。
ただ悲しくて、涙が溢れた。
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真方郎(プロフ) - コメありがとうございます!がんばります! (2017年3月11日 21時) (レス) id: 85f4bf0878 (このIDを非表示/違反報告)
星花 Ruru(プロフ) - はじめまして!こんばんは!この小説とても面白いです!!これからどうなっていくのか楽しみです(*´∀`*)更新頑張ってください!応援してます。 (2017年3月11日 21時) (レス) id: 68eb365810 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:真方郎 | 作成日時:2017年3月11日 13時