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5.心配 ページ5

熱い。


まだ眠ってはだめ。
アリババさまのお身体を清めなくては。


あの人は清らかであるべきなのだから。


「大丈夫か、A?」


トトさんが額の汗を拭ってくれる。


おしぼりが冷たくて心地好い。


トトさん、アリババさまは。


「アリババ? は、食い物取りに行った。起きれるか?」


まだ頭はぐるぐるするが、トトさんの手を借りて上半身を起こす。

「A、汗かいてる。あとで冷えるから、拭いたほうがいい」

私は頷き、桶の中の布巾を取ろうと手を伸ばす。

温かい水の中の布巾。手に力が入らない。


とろとろと布巾を絞る私を見かねて、トトさんが上から手を重ねて絞ってくれた。


「だいぶしんどいみたいだな。トトが拭く。から、背中出せ」

「はい」

トトさんに背を向けると、彼女が服の下から背中をこする。

摩擦と、湯の温かさと、彼女の熱が体内に染み込んでくる。

「湯冷まし、飲んでおくといい。」

腕や足を拭いてもらっている間に、トトさんは寝台のそばのテーブルを指す。

ぬるい水を飲み下した。

木の器を戻したとき、ノックの音が響いた。


「トト? A、どうだ?」

戸の向こうから、アリババさまの声。

優しい声。

私は、急に自分が情けない存在だと気づいた。

恩のある方に、こんなに心配させてしまうなんて。


「A? どうした? アリババ入れるぞ」


「トトさん、………アリババさま」


「どうか私を、捨て置いてくださいませんか」


思考する前に、言葉が飛び出す。


この言葉こそ、私がずっと抱えてきたものだと理解させられて、心臓が痛む。


泣きたいくらいに、自分が疎ましい。

6.声と心→←4.聞き耳


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設定タグ:マギ , 夢小説 , アリババ   
作品ジャンル:アニメ
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真方郎(プロフ) - コメありがとうございます!がんばります! (2017年3月11日 21時) (レス) id: 85f4bf0878 (このIDを非表示/違反報告)
星花 Ruru(プロフ) - はじめまして!こんばんは!この小説とても面白いです!!これからどうなっていくのか楽しみです(*´∀`*)更新頑張ってください!応援してます。 (2017年3月11日 21時) (レス) id: 68eb365810 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:真方郎 | 作成日時:2017年3月11日 13時

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