2.船上にて ページ2
シンドリアに着く日を心待ちしながら過ごした人生初の船。
風に膨らむ帆や
煌めく波、
照りつける太陽、
全てが初めて目にするものだった。
「A、そろそろ部屋に入ろうぜ」
半刻はそうやって外を眺めていた私に、
アリババさまはあきれたように笑いながら手招く。
私はそれに頷いて、眩しい外界を後にした。
「そこまでする必要ねーってA。俺男だし」
日に焼け、潮風になぶられ少し傷んだアリババさまの髪を一束手に取る。
「いいえ、せっかくきれいな御髪なのですから」
植物性の油を全体に塗り込んでいく。
この油は彼に貢がれたもののうちのひとつだ。
「アリババ、こういうもの使おうとしない」
というトトさんがこれらのものを管理している 。
そこから了承を得て借りてきた。
なんでも、価値がわかる故にご自身には相応しくない、とお思いになるらしい。
「でもさあ……」
「シンドリアで大切な人たちにお会いするのでしょう? ならば整えておくべきかと思いまして」
とある花を香り付けに加えているらしく、艶を取り戻すアリババさまの髪を、芳しい匂いが包む。
「こんなものでしょう」
終了を告げると、彼は息をついた。
「ん……まぁ、ありがとな、A」
長い襟足を弄りながら恥ずかしげにアリババさまは礼を言ってくださった。
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真方郎(プロフ) - コメありがとうございます!がんばります! (2017年3月11日 21時) (レス) id: 85f4bf0878 (このIDを非表示/違反報告)
星花 Ruru(プロフ) - はじめまして!こんばんは!この小説とても面白いです!!これからどうなっていくのか楽しみです(*´∀`*)更新頑張ってください!応援してます。 (2017年3月11日 21時) (レス) id: 68eb365810 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:真方郎 | 作成日時:2017年3月11日 13時