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未来へのかけ橋 シロ ページ16

家に帰ると、黒音が詰め寄ってきた。

「なあ、ちょっとでいいから自然に笑ってみろ。」

何を言ってるのか、私にはよく理解できない。

だから代わりに、苦笑いを浮かべた。

すると。

「そうじゃなくて、うーん・・・」

黒音が焦った様子で考え始めた。

時間がないんだ。

やっぱり直感通り、もう消えちゃうんだ。

「時間が、もうない。」

私の考えを裏ずけるように、黒音が言った。

「最後に言っておく。」

もっと、悲しくなるはずなのに、なんでだろう。

こみあげてくるのは、悲しさじゃない。

後悔だ。

自分の意見をしっかり言えない私。

どうしても人に合わせてしまう私。

そんな自分、嫌だってずっと思ってたはずなのに。

私は全部無視して、いい子を演じてしまってたんだ。

「白音。お前は今のままじゃ、絶対に生きていけない。」

わかってる。

「あの日記。勝手に読んだのは悪かったが、それにしても、あの日記には悪いところが綴られていた。」

わかってるよ。

「でも、今のままじゃ、気持ちの行き場をなくして、最後には・・・」

わかってるの。

「・・・してしまうだろ。だから、」

でも、

「自分の気持ちは、相手に言っても、大丈夫って伝えたかったんだ。」



「いい子じゃなくても、全員に嫌われたりしない。」

「白音・・・え?」

黒音が目を丸くした。

私が、泣いてたからだ。

私が迷ってたことを、黒音が言ってくれたから。

「と、とにかく。自分の意見は、人に言っても、嫌われない。」

すると黒音は、めったに見せない優しい笑みを浮かべ、言った。

「ただ、笑顔で生きて、自分が幸せに生きれたなら、きっといいんだよ。」

さらに。

「泣いてもいい。怒ってもいい。けど、最後には自分が幸せだと思えるんなら、それで・・・」

「もういいよ。」

私は涙をふき、言う。

「黒音より幸せに、生きて見せるから!」

心からの笑顔で、私がそう伝える。

「・・・ああ!」

安心したような笑顔で、黒音が言った。

すると、すこしずつ黒音が消える。

「白音といられて、楽しかった。」

短い間だったけど、と付け足し、黒音が言う。

「私も。これからは、自由に生きてみようと思う。」

「うん。」

少し寂しげにしている黒音の目には、少量の水がある。

「じゃあ、さようなら。」

「う、うん!元気でいてね!」

「ああ!」

それから。 シロ→←本当の望み。 クロ視点


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シロ(プロフ) - けんさん» ありがとうございます!先ほどはお話につき合ってくれてありがとうございました。 (2019年4月16日 3時) (レス) id: 72e119a969 (このIDを非表示/違反報告)
けん - 読みました。 (2019年4月16日 3時) (レス) id: b387ed5a4d (このIDを非表示/違反報告)
シロ(プロフ) - ろわ@Project KZさん» わかりました! (2019年4月14日 9時) (レス) id: 72e119a969 (このIDを非表示/違反報告)
ろわ@Project KZ(プロフ) - リクエストのイラスト完成しましたー!良ければ確認お願いします!(舞台創造科バンライナーなPとAqua*のイラスト集!です) (2019年4月14日 9時) (レス) id: b3ce8b8774 (このIDを非表示/違反報告)
シロ(プロフ) - ミズナさん» はい!確認しに行きます! (2019年4月7日 6時) (レス) id: 72e119a969 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:桜花 x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/  
作成日時:2019年3月1日 22時

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