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No side
「うちの組織だけで、100を超える死者が出ています。癪ですが、太宰の木偶が呪いを無効化していなければこの十倍は被害が出ていたかと……」
「ボスとして、先代に面目が立たないねぇ。」
そう数え切れないほどの死体袋の前で幹部と首領が話す。後ろに控えているのはAの様だ。
後ろの自動扉から、着物を着た一人の幹部、尾崎紅葉が帰ってきた。
「太宰のやつに役立たずの捕虜をおいても世話代が嵩むと探偵社を追い出されましてのう」
「宿泊費代わりに使い番まで押し付けられたわ」
「探偵社の社長から______茶会の誘いだそうじゃ。」
「ほう。そう来たか。」
そう反応を示す首領と共に、Aも思考を巡らした。
_________________________________
鳥の囀りとともに複数人の足音が聞こえてくる。
「ようこそ。ボス」
「四年ぶりだねぇ」
その足音は森鴎外率いるポートマフィアの精鋭たちだった。
「私があげたコートはまだ使っているかい?」
久しぶりに会った者達が世間話をする様な感覚で話している。
「もちろん___________________焼きました。」
そう勢いよく立ち、後ろからの声を待つ。
それに気づいたポートマフィアのもの達は警戒を示すが、呼ばれた本人である森鴎外はピクリとも動揺を見せない。
「ポートマフィアボス、森鴎外殿。」
「武装探偵社社長。福沢諭吉殿。」
冷たい糸が張り巡らされ、それと共に緊張が走る。
緊迫した状況下で、二つの異能力組織の首脳が歩み寄る。
「ついにこの時が来たな。」
「横浜の二大異能組織のトップがこうして密会していると知ったら、政府上層部であるもの達は泡を吹くでしょうね」
「単刀直入に言おう。探偵社のある新人が、貴君らポートマフィアとの同盟を具申した。」
「私は反対した。非合法組織との共同戦線など、社の指針に反する。」
「だがそれは、ポートマフィアに何度も撃たれ斬られ、拐かされた者からの提案だ。」
「言葉の重みが違う。故に組織のオサとして耳を傾けざるを終えなかった」
眉間に皺を寄せつつも、はっきりとした通る声で、威厳を見せながら話す。
「お互い苦労が絶えん立場ですな。」
「結論を言う。同盟ならずとも、一時的な停戦を申し入れたい」
福沢の話が一区切りしたところで、森が軽蔑した様に息を漏らす。
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シリコン寿司(プロフ) - コメントありがとうございます!このコメントを励みに頑張ります (5月19日 1時) (レス) id: 5aaa516a20 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃尾多希(プロフ) - ギルド編お疲れ様です!とっても面白かったです!続き楽しみにしてますね! (5月18日 22時) (レス) @page11 id: 3e211502f2 (このIDを非表示/違反報告)
シリコン寿司(プロフ) - 外し忘れてました!すみません!報告ありがとうございます!!! (2023年3月26日 20時) (レス) id: 5aaa516a20 (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - オリ‘フラ立ってますよ! (2023年3月26日 18時) (レス) id: d16c4af477 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シリコン寿司 | 作成日時:2023年3月23日 2時