アイスクリーム・ランデブー(曲芸師) ページ9
「Aって海には行かないの〜？」
私の友人であるマイクがいつものアイス屋のチョコミントアイスを頬張りながら聞いてきた。確かに季節は夏を指していて周りのクラスメイトは夏休みに海やプールに行く約束をしてる人達がいっぱいいた気がする。
「あー…あんまりそういうの好きじゃなくて…だって日焼けしちゃうし」
「ほんと？僕も海とか出かけるのあんまり好きじゃないんだよね」
なんて？と聞き返してしまいそうだったが私は言葉を飲み込んだ。去年はウィリアムやアユソ先輩と海に行ってたとクラスメイトに話してた彼が海に行くのが好きじゃないのは予想外だった。溶けかけるアイスを必死で処理してたら彼はクスリと笑って話の続きをし始める。
「皆でワイワイできるなら僕だって大歓迎なんだけどね、ただ人がいすぎる場所はなんて言うか頭が痛くなっちゃって…」
いつもより弱々しく笑う彼は学校では常に笑顔を絶やさない彼とは正反対だった。
「それに今は君がいるからいいかな〜って、こうやって一緒にアイス食べてるだけで幸せだもん」
話を聞いていると溶けたアイスが私の指に垂れてしまった。慌ててウェットティッシュで拭こうとしたら彼が私の手をとり垂れたアイスを舐めとったのだ。彼の唐突な行動に驚きと恥じらいを隠せずにいると「まだわからないの？」といつもの顔とは違う真剣な顔で見つめてきた。
「僕、あの時から分かってたけど改めて言うね。Aが好き、今年…いや、これからずっと一緒に夏を過ごしてくれる？」
その言葉の後、私たちの影がひとつに重なった。ひと夏の甘酸っぱい思い出はこれから膨らんでいくのだろう。
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薄荷ゼリー(プロフ) - 通りすがりさん» コメントありがとうございます、更新率は低下してますが今後もご愛読頂ければ思いますm(*_ _)m (2021年12月28日 12時) (
レス) id: a93fc2bc72 (このIDを非表示/違反報告)
通りすがり - ドキドキする話やクスッとくる話、色々あって読んでてとても楽しいです！（≧∇≦）応援してます⸝⋆* (2021年11月20日 15時) (レス) @page11 id: 2f87ec2489 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：薄荷ゼリー | 作成日時：2021年6月14日 20時
