進捗如何ですか(小説家、悪夢) ページ20
「これは表現が違う、辞書で調べてから書き直すといい」
「…文法が支離滅裂、だ。特にここ辺り…」
そう言って2人はまた私の書いた原稿に赤いチェックを入れ始める。多少の誤字脱字、大袈裟な表現は許して欲しいのだが彼らは私たちが本業だ…と言い私の趣味で書いているものまで指摘をし始めたのだ。
じゃあなぜ趣味で原稿を書いているのか、だって?そりゃあ夏の素晴らしき祭典にまで完成させる小説を書いているからだ。
推しの完璧なキャスティング、プロット通りのシチュエーションに素晴らしい展開を頭で想像しながら書く小説は最高だ、最高だった。
なのに、こいつらに、バレてしまった
しかも、中身まで、見られてしまった
絶望しかなかった。じっくり読まれた挙句、誤字脱字を始め比喩の間違いなどを指摘され始めたのだ。
「にしても…恋愛小説にしては斬新な組み合わせだな。男が……」
「それ以上は止めてください私の人権がなくなります」
「人権……いや、出版社に出すのならこの位はやらないといけないだろう」
嗚呼、彼らはとんでもない勘違いをしている。
しているがどうやったら上手く間違いを指摘するのだろうか。結局彼らに指摘されるがまま小説を書いた。
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「今回の新刊、すごく文学的ね」
「はは、そりゃどうも……。いつもお手伝いに来てくれてありがとね、マーサ」
「…後で5冊買っても?」
「えっ」
ギャルと蜥蜴男と冬と(魔トカゲ)→←Once upon a time…(占い師)
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薄荷ゼリー(プロフ) - 通りすがりさん» コメントありがとうございます、更新率は低下してますが今後もご愛読頂ければ思いますm(*_ _)m (2021年12月28日 12時) (レス) id: a93fc2bc72 (このIDを非表示/違反報告)
通りすがり - ドキドキする話やクスッとくる話、色々あって読んでてとても楽しいです!(≧∇≦)応援してます⸝⋆* (2021年11月20日 15時) (レス) @page11 id: 2f87ec2489 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:薄荷ゼリー | 作成日時:2021年6月14日 20時