荘園の果てに約束されたもの【短編集】

Once upon a time…（占い師） ページ19

昔昔ある所に、可愛い女の子と意地悪なお母さんが
2人で小さなお家に暮らしてました。
お母さんは毎日女の子を虐めていました。
そんなある日のこと、女の子宛に舞踏会の招待状が届きました。
女の子は嬉しくてドレスを作り始めましたがその次の日、お母さんは招待状とドレスをビリビリに破きました。
女の子は悲しくなって外に出てしまいました。

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「お嬢さん、こんな夜更けに森へ来るなんて悪い子だね。お家に帰らないと私が食べてしまおうか」

「お家に、帰りたくないから…たべてください」

困った、困ってしまった。久々のお客様はどうやら森の近くにあった小さい家から逃げてきたようだ。

「…そうか、そうか。それは大変だったね…よしよし、ここなら悪い魔女も来ないから安心していいんだよ」

そう言いながら彼女の頭を優しく撫でて抱きしめると何かがぷつん、と切れたのか彼女は涙を流していた。それから私は彼女に色んなことを聞いた、どうやら家では血の繋がりのない母親と2人で暮らしていてその母親からは虐められているらしい。

「そうか…なら私の所に来ないかい？」

「…なぐったり、けったりしない？」

「あぁ、一緒に住んでる人たちも居るが君を歓迎してくれるよ…さ、行こうか…」

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昔昔、あるところに女の子を引き取ったフクロウがいました。
フクロウの家には猫、うさぎ、もぐら、不死鳥がいました。
みんな優しく女の子を歓迎して仲間にしてくれました。
森の外から女の子を呼ぶ声がしても
森の外の家が燃やされていたとしても
女の子は森の中で楽しく暮らしましたとさ。


めでたしめでたし

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