あの頃の私は(マジシャン) ページ7
「どうして泣いているんだい、私は君の笑顔が見たいんだ。これで元気を出してくれるかな」
そう言って遊園地で泣いていた幼い私に対して花を出してくれた見習いマジシャンは今、偉大なるマジシャンへとなっていた。
今日はそんなマジシャンの誕生日でもあり彼主催のバースデーマジックショーが荘園で行わる予定だった。どうやらハンター達もそのマジックを見たさに大広間まで集まっていたのだ。
そして時間になり辺りは暗転、直後にスポットライトが今日の主役に照らされた。
「今回は私のバースデーマジックショーに集まりいただきありがとうございます、さぁ…華麗なるマジックを今ここに!」
彼の掛け声と共に普段の衣装から青色が目を引くブルーアラジンに変わりショーの幕が上がった。
あれからショーはずっと驚きっぱなしでまるで魔法が使われてるかのように派手で煌びやかだった。それとは逆に昔の彼とは違って少し寂しさも感じたのだ。
ショーも終わり皆が皆感想を口々に言い自分の部屋や館に去っていく中、私は彼に呼び止められたのだ。
「君、もしかしてあの時テントの前で泣いてた子だったね」
「え、あ、は…はい…。泣いてた私をマジックで喜ばせてくださったこと……」
「あぁ、覚えてるさ。何しろ私のマジックを初めて喜んでくれたのは君だ。忘れるわけが無い」
彼も私もあの時を覚えていたようだった、あまりにも嬉しくて私は泣いてしまった。
それを見た彼は頭飾りの宝石を人差し指で抑えてからまたあの時のように手の中に小さい花を出してくれた。
「どうか泣かないでお嬢さん、あの頃の私は貴女に救われたのだから」
「はい…あ、改めて、お誕生日おめでとうございます…!」
私が涙ながらに伝えると彼は微笑んで花を私にそっと手渡した。
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薄荷ゼリー(プロフ) - 通りすがりさん» コメントありがとうございます、更新率は低下してますが今後もご愛読頂ければ思いますm(*_ _)m (2021年12月28日 12時) (レス) id: a93fc2bc72 (このIDを非表示/違反報告)
通りすがり - ドキドキする話やクスッとくる話、色々あって読んでてとても楽しいです!(≧∇≦)応援してます⸝⋆* (2021年11月20日 15時) (レス) @page11 id: 2f87ec2489 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:薄荷ゼリー | 作成日時:2021年6月14日 20時