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シェルピンクに思いを乗せる(画家) ページ6

芸術家は恋を知ると作品が変わる、と誰かが言っていた気がする。だから僕は恋をしないと決めていた。例え絵の具を渡してくれたあいつなんか恋愛対象にならない、ならないはずなのにね。

春の麗らかな日、庭園にはハンター達が提案し植えられた「サクラ」が咲いていた。それがあまりにも美しくて、衝撃的で花が散るまでは「サクラ」を描き続けると決めたのだ。
だがこの「サクラ」はあまりにも複雑な色をしていた。芸者曰く色は「サクライロ」というらしいがそんな色を僕は知らないし作ることも出来なかった。

「芸術に妥協は付き物だとは思うけどな」

「ふん、そんなの僕が知ることじゃない。今回は仕方なくその絵の具を使ってるんだ」

あの時絵の具を渡してくれた彼女は僕が絵を描いていると何も言わずに傍に寄ってくるようになった。

「シェルピンク、ね……この色から黄を引けば近づくのかな」

「ふん、どうだろうね。それにしてもなんだこの複雑な色は……全く分からないね…」

きっと彼女の考えは正解に近いだろうが今更色を変えて塗ることは出来なかった。

「でもなんだろう…貴方の絵、ここに来てからすごく柔らかな表現も描けるようになったんだなって思う」

「そうだろう、僕はなんたって天…おいお前、今なんて??」

彼女から聞きなれない言葉が聞こえたが聞き返そうとすると自分で考えたら?と笑いながら芸者の元へ走っていった。彼女が去った後、手元には「チェリーブロッサム」と書かれた絵の具のチューブが置いてあった。

あの頃の私は(マジシャン)→←答えは分かっている(傭兵)



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薄荷ゼリー(プロフ) - 通りすがりさん» コメントありがとうございます、更新率は低下してますが今後もご愛読頂ければ思いますm(*_ _)m (2021年12月28日 12時) (レス) id: a93fc2bc72 (このIDを非表示/違反報告)
通りすがり - ドキドキする話やクスッとくる話、色々あって読んでてとても楽しいです!(≧∇≦)応援してます⸝⋆* (2021年11月20日 15時) (レス) @page11 id: 2f87ec2489 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:薄荷ゼリー | 作成日時:2021年6月14日 20時

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