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三話 ...涙... ページ5

「...泣かないで」


ただ、本心を口にしただけなのに。

涙が僕の頬を伝い落ちた。


「ごめん...なさ...っ」

やっと聞こえるような小さな声で彼女は謝った。

謝らなくたっていいのに。

彼女の涙を拭い、安心させるように頬を撫でる。


彼女の涙さえ、美しいなんて思ってしまう僕は相当彼女が好きなんだろう。
笑っているとき、歌っているとき、眠っているときでさえ、愛おしいと思えてしまう。



あの雪の日、君が僕の前に現れた時から。



だから、さっき彼女の口から、あんな質問をされて驚いてしまったのだろう。
"当たり前"に、これからも。 と、考えていたことを聞かれたのだから。


『いつか綺麗な声が出なくなっても、私を愛してくれますか。』


そう聞いた時の彼女はまるで消えてしまいそうなほど、儚くも美しい表情だった。
そして、真剣な眼差しで僕を見据えていた。

あぁ、僕は幸せ者だ。

そう感じながら、答えたのに泣かせてしまうだなんて。


なかなか泣き止んでくれない彼女を見ていると、いたずら心が湧いてくる。

「やれやれ。」

わざとらしく声を上げ、起き上がる。

「えっちょっ...」

ぐっ と、彼女の顔をこちらに向け、目を見る。
潤んだ、大きな瞳が僕を映す。

「泣かないでくれって、言っているだろう?」

そう言って、彼女を抱きしめた。


「へ、あ、あの」

「君が泣き止むまで止めないからね」

「っもう泣いてません!」

「まだまだ」


そう言いつつも、止めるつもりなどさらさらなかった。

  思い返して火照りだした頬が冷めるまで。






――――――


更新、すごく遅れまして申し訳ないです。

インフルでPC禁止されておりました(汗)

いつの間にか、hitが500を超えておりました。

ありがとうございます。

嬉しいです。

後ほど、コメントも返させていただきます。

コメント、有りがたいです。ありがとうございます。

これからも読んで頂ければ嬉しいです。

四話 ...夏...→←感謝!!



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近所迷惑さき - とってもいい歌ですよね〜。今でもまだ聴いてます。聞いた時、あれ?これボカロなのか!?とビックリしたので、自己解釈を見て、意味を知りました。 (2022年3月27日 7時) (レス) id: 51e47c3894 (このIDを非表示/違反報告)
Mirror Sound - 素敵な、物語です!私は、元々「四季折の羽」が大好きだったんですけど、この自己解釈を読んでからもっと好きになりました!できれば、違う歌の解釈も沢山書いてほしいです。 (2016年1月13日 15時) (レス) id: 863d51c1e2 (このIDを非表示/違反報告)
Yukine.(プロフ) - ×××さん» こちらこそ、素敵な作品をありがとうございました。私も貴方の作品が大好きでした。そんな素敵な作品に私のイラストを添えていただけて本当に嬉しかったです。本当にありがとうございました。 (2015年7月14日 22時) (レス) id: dd995b6485 (このIDを非表示/違反報告)
×××(プロフ) - こちらに失礼します。度々イラストを描いてくださり、ありがとうございました。あなたの絵が大好きでした。本当に、本当にありがとうございました。 (2015年7月14日 21時) (レス) id: 9c0f93981b (このIDを非表示/違反報告)
Yukine.(プロフ) - Misakiさん» コメントありがとうございます...!!好きといっていただけてとてもうれしいです。 (2015年2月25日 20時) (レス) id: dd995b6485 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Yukine. | 作成日時:2014年1月26日 17時

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