八話 ...意... ページ11
「...ありがとう、...ごめんなさい」
彼女は少し涙を流した後、目を拭って僕を見た。
もう大丈夫だ、と言わんばかりに。
少し、潤んではいたが、もう涙は流れていない。
「さてと、夕飯の準備をしなくちゃですね」
気分を入れ替えるように、明るい声色で僕に笑いかける。
「...そうだね、夕飯が楽しみだ」
僕は微笑んで彼女の頭を撫でた。
満足そうに笑い返した彼女は、寝ててください、と僕を布団に寝かせてから台所に向かった。
少しして、トントントン、と料理を作る音が聞こえてきた。
僕は、天井を見上げながら、ぼんやりと考え事を始めた。
少し前までは、暫く僕が背中を撫でていないと泣きやまなかったのに。
彼女は少しの間に強くなった。逞しくなった。
僕が支えていたつもりが、彼女に支えられるようになっていた。
感謝してもしきれない。
それと同時に心が痛んで仕方がない。
僕が倒れてしまってから、彼女は毎日、僕の看病をし、それに加えてはたを織るようになった。
毎晩、眠りもせずに。
目の下に、隈を作ってまで。
それに、手に沢山怪我をするようになった。
それは日に日に、深く、広くなっていった。
ただの思い過ごしかと思って、あまり深く考えないようにしていたが、最近は特にひどい気がする。
どうにかして彼女の傷を癒してあげたかった。
彼女の疲れを取ってあげたかった。
でも...今の僕には無理なことだ。
だから、出来るだけ彼女が帰ってくるときには起きていよう、おかえり、と声をかけてあげよう。
そう決めた。
それに早くこの病気を治すんだ。
彼女を楽にさせてやらなくては。
この感謝をいつか返すんだ。
それまで、絶対に死んだりできない。
それが僕の生きる糧だった。
...少し考え事をして疲れたかな...。
眠い。
夕飯まで眠ってしまおう。
少しづつ視界が霞んでいく。
僕はすぐに意識を手放した。
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近所迷惑さき - とってもいい歌ですよね〜。今でもまだ聴いてます。聞いた時、あれ？これボカロなのか！？とビックリしたので、自己解釈を見て、意味を知りました。 (2022年3月27日 7時) (
レス) id: 51e47c3894 (このIDを非表示/違反報告)
Mirror Sound - 素敵な､物語です！私は､元々｢四季折の羽｣が大好きだったんですけど､この自己解釈を読んでからもっと好きになりました！できれば､違う歌の解釈も沢山書いてほしいです｡ (2016年1月13日 15時) (レス) id: 863d51c1e2 (このIDを非表示/違反報告)
Yukine.(プロフ) - ×××さん» こちらこそ、素敵な作品をありがとうございました。私も貴方の作品が大好きでした。そんな素敵な作品に私のイラストを添えていただけて本当に嬉しかったです。本当にありがとうございました。 (2015年7月14日 22時) (レス) id: dd995b6485 (このIDを非表示/違反報告)
×××(プロフ) - こちらに失礼します。度々イラストを描いてくださり、ありがとうございました。あなたの絵が大好きでした。本当に、本当にありがとうございました。 (2015年7月14日 21時) (レス) id: 9c0f93981b (このIDを非表示/違反報告)
Yukine.(プロフ) - Misakiさん» コメントありがとうございます...!!好きといっていただけてとてもうれしいです。 (2015年2月25日 20時) (レス) id: dd995b6485 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Yukine. | 作成日時：2014年1月26日 17時
