【イナイレ】どうか幸せに。3【佐久間次郎】 (ページ25)

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25.　ペンギンページ25

ふと視界の端に愛らしいフォルムが写る。

その瞬間、心がより一層明るくなった。

「……おい見ろ、すっっげーーーペンギンがいるぞ…！」

この言葉を言い終える前に走り出してしまっていた、と思う。

それほどまでに興奮していた。

だから今普段と違う格好をしていることなんてすっかり忘れていた。

足がもつれて転びそうになる。

まずい、私は今………。

下半身の方がそわそわとする。背後が気になって仕方がない。見え―――。

その瞬間、がしっと腕を掴まれた。

「A、はしゃぎすぎだぞ。いきなり走り出したら危ないだろう？」

子どもに言い聞かせるような、すました言い方だった。

見えて……なかったのか。

恥をさらしていないことに安堵する――が、どうしても佐久間クンの表情は見れなかった。

なんだかいつもと違う気がしたから。

その後もなんとなく気まずい空気のまま、水族館とウミヘビ島での観光を楽しんだのだった。