32. 思惑 ページ38
春菜と待ち合わせ場所へ向かう。
ほぼメンバーは集まっているようだ。
鬼道や佐久間……そして兄ちゃんも。
兄ちゃんは1人離れたところにいるようだった。
兄ちゃんに駆け寄ると、いつもの兄ちゃんの表情じゃないことに気付く。
思い詰めているような、難しい表情をしていた。
「…兄ちゃん?どうしたんだよ、てか何しに行ってたんだよ、」
声を掛けるとようやく私に気付き、ハッとした表情になった。
「……いや、なんでもねェ。」
目を逸らすとまた暗い表情になり俯く。
そんな兄ちゃんを見ると胸が締め付けられるように痛む。
なんでだよ、また私には言えないっていうのかよ。
そんな気持ちをぐっとこらえる。
そんな私に気付いたのか兄ちゃんは溜息をつく。
そして黙って何も言ってくれなかった。
兄ちゃんが何を考えているのか、何があったのかは分からない。
だけど、これ以上何も聞かない方がいいという事は何となくわかった。
胸の奥につんとした嫌な気配をうっすらと感じ始めていた。
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不動視点
嫌な気配を纏ったあの男はやはり影山だった。
Aを巻き込む訳にはいかない、と咄嗟に1人で追いかけてしまった。
……そしてその判断は正解だったと思う。
アイツが何を企んでいるのか分からない。
もしかしたら真帝国の時よりも危険な目に遭わせてしまうかもしれない。
それに……、ようやく信頼出来る仲間が出来たAを巻き込みたくはなかった。
どうにかアイツの懐に入り込んで、思惑を打ち砕いてやる。
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リリィ(プロフ) - Kariaさん» コメントありがとうございます、本当に嬉しくて何度も何度も読み返してはニヤニヤしてしまいました。とても励みになります! (2022年3月29日 1時) (レス) id: 5fb9ab7224 (このIDを非表示/違反報告)
Karia(プロフ) - この作品は、今までに見たイナイレの夢小説の中でもトップに入るぐらい好きです。素敵な作品を生み出してくれてありがとうございます! (2022年3月26日 22時) (レス) @page5 id: 03658bccca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リリィ | 作成日時:2022年3月22日 16時