21. ライオコット島へ ページ26
バスの中、私は春奈の隣に座る。
兄ちゃんは飛鷹の隣に、佐久間と鬼道は隣同士に座っているようだ。
春奈はライオコット島のパンフレットを開いている。
「ここよここ、自由行動で行ける場所!わぁ〜…素敵…!」
そうテンション高めに話しかけてくる。目がきらきらと輝いていていた。
春奈が指をさした場所を見てみると、綺麗な海、沢山のお店…
テレビでしか見たことがないような夢のような景色が広がっていた。
思わず私も心がぱあっと明るくなり、わくわくしてしまう。
思えば、今まで生きてきて観光地のような場所に来たことがなかった。
それどころか遊園地、動物園、水族館……そういった場所になんか一切行ったことがなかった。
「「こんなところ初めて行くなぁ」」
思わず出た言葉が春奈とシンクロする。お互い顔を見合わせると笑い合った。
着いたら兄ちゃんと沢山いろんなところ行きたいなぁ……。
そんな期待に胸を躍らせながらパンフレットを眺めた。
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空港からで出ると日本とは違う暑い風が頬を撫でる。
目の前にはパンフレットと同じ……、
いや、それ以上の夢のような光景が広がっていた。
「すっっげぇ…!凄い、凄いね兄ちゃんっ!」
「おい、はしゃぎすぎて怪我すんじゃねェぞ。」
目を輝かせはしゃぐ私に兄ちゃんは苦笑いを浮かべながら窘める。
「兄ちゃん、私行きたいところいっっぱいあるんだ!全部は行けないかもだけど、沢山一緒に行こうな?」
春菜から貰ったパンフレットを兄ちゃんに見せると兄ちゃんの手を引く。
「ったく、仕方ねえな…」
やれやれ、と笑う兄ちゃん。
バスが来るまで数時間ある。
それだけの時間じゃとても足りない
…だけど、今まで楽しめなかった分兄ちゃんと思い出を作りたいんだ。
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リリィ(プロフ) - Kariaさん» コメントありがとうございます、本当に嬉しくて何度も何度も読み返してはニヤニヤしてしまいました。とても励みになります! (2022年3月29日 1時) (レス) id: 5fb9ab7224 (このIDを非表示/違反報告)
Karia(プロフ) - この作品は、今までに見たイナイレの夢小説の中でもトップに入るぐらい好きです。素敵な作品を生み出してくれてありがとうございます! (2022年3月26日 22時) (レス) @page5 id: 03658bccca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リリィ | 作成日時:2022年3月22日 16時