9. 愛情?(源田視点) ページ11
イナズマジャパン戦…、あいにく負けてしまったが有意義な試合だった。
悔しいが、不思議と気持ちは晴れやかで清々しい。
鬼道に挨拶と軽い雑談をしたあと、俺は不動とAを探すため辺りを見渡す。
Aはまだ仕事をしているようだし邪魔をしてはいけない。
まずは不動と話そう。とりあえず俺は不動を探しに向かった……
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グラウンドの隅まで探しても不動は見当たらなかった。
諦めかけて溜息をついた時、Aが合宿所の方へ向かう姿が目に入った。
せめてAとは話したい…と思った俺はAを追いかけた―――、
……とまぁ、そんなこんなで焦った俺は成神とAの会話を邪魔をしてしまったわけだ。
「あ…そういえば不動がどこにいるか知らないか?」
俺がそう問いかけるとAは驚いた表情を浮かべる。
いや…どちらかというと引いているのかもしれない。
「…源田、まだ兄ちゃんにちょっかいかけてんの?」
「仲良くしたいとは思ってる。
あいつが悪い奴とは思えないし…
…それは妹のお前が一番分かっているだろう?」
これは紛れもない本心だ。
確かに不動とは苦い思い出もあるし、それが大半だが……
やはり不動が悪い奴だとは思えない。
それにあいつのアドバイスのお陰でGKとしてのスキルもかなり上達した。
俺の気持ちが伝わったのかAは少し嬉しそうに頬を赤らめる。
喜んでいるのを悟られたくないのか平常心を保つように髪の毛を指でくるくるといじる。
「まぁ……な。
けど残念ながら兄ちゃんの居場所はわかんないね。
多分もう自分の部屋にいるんじゃねーの?」
薄々気付いてはいたが、やはりもういないのか……帰るのが早すぎる。
「………呼んできてやってもいーけど?」
俺が落ち込んでいるのに気付いたのだろうか。
Aは顔色を窺うように顔を覗き込み気を遣ってくれる。
「いや……流石にそこまでしなくて大丈夫だ。
俺は嫌われているだろうし……。嫌がらせだと思われてしまう。」
俺の言葉を聞くと首を傾げ少し考え込む。
俺もつられるように首を傾げた。
「私が思うに源田チャン、別に嫌われてはねーよ?
嫌いなヤツとか興味ないヤツに対しては何言われても無視するタイプだし。
だからまァ…愛情の裏返し的な?そんな感じだと思って気にすんなよ。」
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リリィ(プロフ) - Kariaさん» コメントありがとうございます、本当に嬉しくて何度も何度も読み返してはニヤニヤしてしまいました。とても励みになります! (2022年3月29日 1時) (レス) id: 5fb9ab7224 (このIDを非表示/違反報告)
Karia(プロフ) - この作品は、今までに見たイナイレの夢小説の中でもトップに入るぐらい好きです。素敵な作品を生み出してくれてありがとうございます! (2022年3月26日 22時) (レス) @page5 id: 03658bccca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リリィ | 作成日時:2022年3月22日 16時