２９． 本当の姿は(佐久間視点) ページ35
支払いを済ませ、店を後にする。
Aはペンギンのぬいぐるみマスコット2体と源田へのお土産を購入していた。
多分不動の分だろうな…、
喜んでくれると確信しているのだろう、ずいぶんと上機嫌でニコニコしている。
こうして見ているととても微笑ましい良い兄妹だ。
まぁ実際仲が良くて良い兄妹なのだが――、
真帝国の頃を見てしまっているのと…今も不動の腹の中が分からないからか素直にそう思えない。
Aだって、今のこの無邪気な姿が本当なのかわからないし―――
「あ、そーだ！佐久間クン、源田の連絡先知ってるよな？
ライオンチャンの写真送ってくんね？」
突然立ち止まったかと思ったらそう言って紙袋の中からライオンを取り出す。
「あ、あぁ構わないが…。」
特に断る理由もない。
ポケットからスマホを取り出して連絡用アプリを起動する。
「……というか、Aもスマホを持っているだろう？
源田の連絡先、教えるぞ？きっと源田もその方が喜ぶだろうし」
そう提案するも、Aは眉を顰めて首を横に振った。
「いやー…それはいい。
アイツ毎日しつこくメッセージ送ってきそーだし。」
そう言って俺と源田のやり取りが映っている画面をのぞき込む。
そこには今日の天気と気温、水分補給の勧めやらなにやら、母親とのやり取りと見間違うような内容のメッセージが表示されている。
それを見てドン引きしたようで、苦い表情を浮かべた。
「こんなんが毎日送られてきたらアタマおかしくなっちまうぜ」
やれやれと肩をすくめて溜息をつく。
「まぁ、嫌なら通知を切っておけばいいさ。
アイツがやりたいようにしているだけで、返信がなくても気にしないだろう」
そう言うと少し考え、小さく頷いた。
「ん、それがいい。お前から連絡した方がアイツもきっと喜ぶだろう」
「別に…喜ばせようとしてるわけじゃねーし……」
Aは照れ隠しなのか、ムッとしながらもスマホを取り出す。
連絡先を交換し、源田のアカウントを紹介する。
友達申請をAが送ると、ものの数秒で承認された。
「「はっや……」」
俺とAは驚きのあまり声を合わせる。
『A！佐久間に教えてもらったのか？改めてよろしくな！』
こちらが驚いているとは露知らず、呑気なメッセージが送られてきた。
―続く―
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リリィ(プロフ) - Kariaさん» コメントありがとうございます、本当に嬉しくて何度も何度も読み返してはニヤニヤしてしまいました。とても励みになります！ (2022年3月29日 1時) (
レス) id: 5fb9ab7224 (このIDを非表示/違反報告)
Karia(プロフ) - この作品は、今までに見たイナイレの夢小説の中でもトップに入るぐらい好きです。素敵な作品を生み出してくれてありがとうございます！ (2022年3月26日 22時) (レス) @page5 id: 03658bccca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リリィ | 作成日時：2022年3月22日 16時
