七本目の矢。 ページ9
「父さん、母さん。」
部屋に入り、早速2つの写真立てに話しかけたA。
1つの写真立てには、Aの父と母が互いに寄り添っていた、もう1つは兄がサッカーボールを手に持ち、笑顔を浮かべている。
「今日はね、木戸川清修から雷門中に転入したよ。ヨネさんが手続きしてくれたんだ。確か…雷門中は父さんの出身校だったよね。木戸川清修も楽しかったけど…でもね、雷門中はもっと楽しそうな気がするんだ。
僕にはそんな気がするんだ、絶対。…ふふ、なんでだろうね？」
Aは、これからの事を父と母に話していた。
そして次は、兄の方の写真立てに話しかける。
「兄さん、今日はね、兄さんと似ているような子に、放課後サッカー部に誘われたんだ。その子は円堂守って言うんだけどね＿＿」
今日の円堂との出来事を振り返り、その事を兄に伝える。
「…でも、でもね、僕は兄さん達のためにサッカーはやらないって決めたんだ。
僕だけのうのうとサッカーやって、兄さん達はサッカー観戦、楽しいサッカーができないのに…。」
拳を思い切り、ぎゅっと握り締める氷ヶ矢。
「だから僕は、サッカーをやらないって誓ったんだ。
だって、僕がサッカーやったら…」
「＿＿きっと兄さん達を…苦しませるから…」
今は亡き両親と兄と共に過ごした日々を思い出し、空色の瞳から涙を流したA。
一体誰が、まだ中学生になったばかりのAを苦しませているのだろう。
一体誰が、この子の家族を奪ったのだろうか。
「へ、へへ…ごめんね、今日はもう寝るよ。おやすみ、父さん、母さん、兄さん。」
自分のベッドに潜り込み、兄の形見であるネックレスを握り、目を閉じた。
「…見守ってて、兄さん。」
少し経ってから、彼は夢の中へと意識を落とした。
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しぐれ(プロフ) - メルさん» ありがとうございます！頑張ります…！！！ (2022年8月8日 21時) (
レス) id: 62487e5d19 (このIDを非表示/違反報告)
しぐれ(プロフ) - 月夜 黒輝さん» 自分も対になる関係大好きです ﾍﾍっ！！ありがとうございます…！ (2022年8月8日 21時) (レス) id: 62487e5d19 (このIDを非表示/違反報告)
メル - これからの展開が楽しみです！応援してます！頑張ってください！ (2022年8月4日 22時) (レス) id: eb7870cb0c (このIDを非表示/違反報告)
月夜 黒輝(プロフ) - ふぉぉぉおおお 良いですね対になる関係、大好物です！更新できる時でいいので頑張って下さい！待ってます!! (2019年3月30日 5時) (レス) id: 7066949ba0 (このIDを非表示/違反報告)
しぐれ(プロフ) - ゆっきーさん» 長らくお待たせしてすみません…！頑張ります！ (2018年10月24日 21時) (レス) id: 1d4791c245 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しぐれ | 作成日時：2018年8月25日 21時
