守護霊様が導いたこの出会い！！！【ジョジョ3部】 (ページ21)

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ⅩⅩⅡ章～「幸福とは」1 ページ21

ヴ「着ろ」

あ「へ…？」

意識が覚醒した瞬間。目の前に服がズイっと差し出された

おずおずと服を受け取り広げる

…可愛い

白を基調としたドレスワンピース
腰辺りに黒いレースがあしらわれている
丈もそこまで短くない
派手すぎないのがまたいい

一体誰が用意したのか…？

ヴ「ダービーが作った。速く着ろ」

あ「つ、作ったぁ！？」

心を読んだような発言をしたヴァニラさんにも驚くけど、これを作ったテレンスさんの職人技が…

ヴ「DIO様がお待ちだ。はやく、きろ」

あ「は、はいっ」

急いでソファから立ち上がって今着ている布同然の服に手をかけ、着替えようとする、が…

ヴ「……」

…ガン見されている

いや、ヴァニラさんがそういう目的で見てる訳じゃあないことはわかってるけれども

さっさと着替えろ的な意味で見ているのは解るんですけどね

だからといって男の人の前で堂々と着替える程、常識がない訳じゃあない

むしろいるのかそんな人

あ「あの…」

ヴ「なんだ」

あ「あんまり見られると、その…着替えにくい、というか…」

ヴ「……」

無言で踵をかえしたヴァニラさんはドアノブに手を掛けながら「終わったら言え」とだけ残し

この部屋―テレンスさんの部屋―を出た

あ「ふぅ…」

体の緊張が一気に解けて溜息が零れる

だけど、いつまでもそうしている訳にはいかない

急いで脱いで急いで着る

着なれない服で少々手こずってしまったけど自分なりに急いだつもりだ

相変わらず靴がないのだけれど

…いいのか？

ドアに寄って外に声をかける

あ「おわりました」

ガチャ

あ「ぅわっ」

言った直後勢いよく開いた扉に驚く

…あわわ、待たせてしまっていたのでしょうかっ

ヴ「……」

扉を開けたきりヴァニラさんは動かずアタシを見下ろす

あ「…変、ですか？」

ヴ「……」

…おや？

ヴァニラさんの手がゆっくりと伸びてきた

…え、え、なに、なにっ？

思わずギュッと目を瞑る

襟辺りに触れられ衣擦れの音がした

ヴ「しっかりと着ろ」

あ「へ…？」

目を開くとヴァニラさんが襟辺りをいじっている

ヴ「崩れていた。DIO様の前にでるなら、それなりの身なりをしろ」

あ「は、はい」

手を離された襟をみると皺1つなくとても綺麗なものだった

あ「ありがとうございます」

ヴ「…ﾌﾝ。行くぞ」

顔を逸らされたけど、嫌な感じはしない

さっさと行ってしまうヴァニラさんの後ろを慌てて付いて行く

時々振り返るヴァニラさんが少し好きになった