49.慌ただしい日々 ページ15
師走の忙しさは思った以上で。
村上さんに好きだって言われたことを考える隙間もないくらい、慌ただしくその日の業務は終わった。
「村上さん」
「ん？」
「今朝のお話なんですけど。私やっぱり」
「わーわー。ちょっと待てって。
とりあえず今週めっちゃ忙しいやろ？
ちょっと落ち着いてから返事してや」
「でも」
「お互いその方がええやろ、な？」
そう言って、おでこをぺちっとたたかれた。
村上さんの言葉どおり、今週は忙しさのピークで。
私は毎日の仕事をこなすことで精一杯だった。
帰ってくるとくたくたに疲れていて、何も考えずに眠れるのは、ある意味ありがたいことだった。
ふっと気を抜くと雅紀くんの悲しそうな目が脳裏をよぎって。
でもどうしたらいいのかわからないまま、日にちだけが過ぎていく。
24日が近づいてくる。
どうしよう。
このままじゃ、パーティどころじゃない。
そう思っていたら花さんからラインが届いた。
「もうすぐだね、ケーキ頑張って作ってね！」
ニノくんから何も聞いてないのかな？
私が何て返事を返そうか迷っていると、続けてもう一つメッセージ。
「今日『Siesta』にランチ行ったけど、雅紀くん一人で忙しそうだったよ」
え？
一人？
マキちゃんは？
「バイトの子はいなかったんですか？」
思わずそれだけ送った。
「辞めたって聞いたけど、違うの？」
「そうなの？知らなかったです」
「あ、違う。カズが、『相葉さんがクビにした』って言ってたよ」
クビ？
マキちゃんを？
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作者名：つむ
| 作者ホームページ：
作成日時：2014年12月16日 18時
