地獄先生ぬ～べ～アニメ沿い夢小説 (ページ48)

今日:13 hit、昨日:2 hit、合計:23,982 hit

それぞれの目的(六頁) ページ48

「鵺野…先生…！！」
「A先生…！？」

鬼の封印を解き放ち既に半身を鬼に支配された鵺野先生の元に辿り着くと、私はその鬼の腕に自分の手を重ね合わせた。

「私にも貴方の力を分けてください…っ」
「！、そんなことをしたら君まで…！」
「お願いします、私は…貴方の力になりたい…！」

切実な思いでそう伝えると鵺野先生はその思いを受け止め、私に鬼の力を分け与えた。でも直ぐにその膨大な力に私の体は悲鳴を上げる。

「ああっ…！！」
「A先生…！」
「大丈夫…です…っ、秀一くんを共に助け…」
「貴女の非力な霊力だけじゃ力不足ですよ。A先生」
「！」

すると、直ぐ近くで玉藻先生の声が聞こえハッとなった。気付くと鵺野先生の鬼の腕に乗せていた私の腕に玉藻先生の腕が伸びていた。

「私の体にも鬼の力を逆流させて貴方の負担を軽くするのです」
「ば、ばか、そんなことをしたらお前まで…っ」
「構いません！行きますよ、先生！」

一か八かの賭け、玉藻先生の必死な表情を横から見た私と鵺野先生は三人で共に頷き合うとそれぞれの役目に自身の力を注いだ。

「貧狼巨門隷大文曲廉貞武曲破軍」
「南無大慈大悲救苦救難広大霊感白衣観世音」
「「「哈ッ！」」」

二人の呪文に乗せ霊力を最大限に放出した。甲羅は砕け散り邪悪な妖獣も浄化され消えると、その中から秀一くんの姿が現れた。

「良かった…これで…」

そして、そこで私の意識がプツリと切れた。視界が暗闇に覆われ何も考えられなくなると、そのまま深い眠りについたのだった。