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抜き足、差し足、忍び足。
母がよく父を脅かす時に言っていた。
つま先からゆっくり踵まで地面を踏み、
木の軋む音がならないように全神経を使って歩く。
全ては屋上の鍵を手に入れるためッ……！
A
「取ったっ。」
鍵の管理は団長がしているが未だにバレたことは無い。
それもこれも純東洋人である私。
母からは忍者というものが東洋で存在すると言っていた。
私は忍者の末裔の祖先なんじゃないか。
………………どうも、深夜テンションでおかしい。
とにかく雑念を振り払っては、
そのまま足早にその場から逃げて屋上の階段へと登る。
A
「お、…鍵が既に開いてる？」
でもここの鍵は私の手元…、誰かが閉め忘れた？
不法侵入者…いや私と変わりはないんだけど。
立体機動装置を狙った不審者がここに？
冷や汗が走る、ゆっくりとドアノブを捻った。
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作者名：しゃむねこ | 作成日時：2023年11月18日 19時
