43.すのーほわいと ページ44
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「Aさん、お祖母さん何て言ったの…?」
『お、おお教えません!!』
あんな恥ずかしい内容を自分の口から
言うつもりはありません。
祖母の津軽弁で、翠くんや他の人が理解できな
かったのが救いですが。
「Amazing☆なんと情熱的なお祖母さま!
翠くん、Aさんのお祖母さまは……」
『い、言わないでくださいっ!!』
祖母の口から手を離し、今度は急いで部長の
口を塞ぎます。
ちゃんと口をきっちり塞いだのに、どこからか
「Amazing!」と日々樹先輩の声がするのは
あまり納得いきませんが。
そうでした。
日々樹先輩は津軽弁が理解できるんでした。
私の津軽弁も矯正できましたもの。
祖母の津軽弁も分かるに違いありません。
と、そこまで考えて嫌な予感がしました。
確か、津軽弁が理解できる人がもう一人
いたような………?
『……あー!あんず先輩っ!!ダメです。
言っちゃダメですっ!!』
「もう遅いよ。言っちゃったもんね♪」
急いであんず先輩を止めようとしましたが
時すでに遅し。
得意げに笑う先輩2人と呆然とする翠くんに
どうしようもない羞恥がこみ上げます。
全く、ばばはなんて事を言うんでしょう。
顔を手で覆ってしゃがみ込んでいたら
ぐいっと誰かが私の腕を引っ張りました。
『翠くん?』
「………………一緒に来て。」
突然の指令に間の抜けた声が出たのも束の間。
そのまま腕を引っ張られ続け、あっという間に
楽屋が遠くなっていきます。
ざわめく楽屋から「愛の逃避行ですね☆」と
いう声がしましたが、聞かなかったことに
しましょう。
………………
『えーと、ここは……。』
翠くんに引き摺られること数分。
どこかの公園に到着しました。
パンダの遊具が夕日で赤くなっています。
「……あの。俺、さっきの劇でAさんを
助けたでしょ?」
『あ、ハイ。ありがとうございました……。』
「あ、いいえ……。
あの時、セットがあのまま倒れたら……って
考えたら凄く怖くなったんだ。
それでつい、体が先に動いて舞台に上がって
Aさん抱き上げたんだけど。
安心して、その後顔真っ赤にしてるAさん
見て………不謹慎だけど凄い嬉しかった。」
一回言葉を切り、私と目線を合わせた翠くん。
大きく深呼吸をする音が聞こえます。
「俺、どうしても言いたいことがあって……
あ、あの。俺………」
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メイ(プロフ) - みよじも綾w名前も綾w (2018年3月31日 13時) (レス) id: 11a946e9bb (このIDを非表示/違反報告)
ぽこにゃん(プロフ) - Renさん» ありがとうございます!津軽の人間としては凄く嬉しいです!今までご愛読ありがとうございました。 (2016年4月2日 8時) (レス) id: 1c770f8000 (このIDを非表示/違反報告)
Ren(プロフ) - もともと物凄く破壊力のあるお話だなぁと思っていたのですが、最後の告白シーンでノックアウトされました。津軽弁少女最高。翠くん最高。作者様最高です。!! (2016年4月2日 1時) (レス) id: fb3e3617f8 (このIDを非表示/違反報告)
ぽこにゃん(プロフ) - 牛乳サワー。さん» ありがとうございます!書いてて楽しかったです! (2016年4月1日 18時) (レス) id: 1c770f8000 (このIDを非表示/違反報告)
牛乳サワー。(プロフ) - 完結おめでとうございます!! (2016年4月1日 18時) (レス) id: f6c9f1995a (このIDを非表示/違反報告)
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