真実《参拾弐》 ページ5
敦君は、ピクリとも動かなかった
『あ、つしく……』
守れなかった……?
そのとき、地面に影がかかり、見上げると芥川君が冷たい目で僕をみていた
芥「国木田、何をしている」
『芥川君……』
芥「人虎は僕らの捕獲対象、救う義理など皆無に等しい…帰るぞ」
『…………』
芥「僕の指示にしたがったのだ、この事は僕とお前しか知らない、首領には報告はしな 『…ごめん、芥川君……』
芥川君の声を遮り、僕は芥川君に微笑んで見せた
『今、実感しましたよ…………やっぱり、血は争えないって』
兄が"ああ"なのだ、僕にも少なからず流れているんだ
その血が
芥「………」
『……っぐ」
羅生門が、僕の体を締め上げ、芥川君の足元に僕を叩きつけた
芥「…………青二才が、この裏の世の理もまだ理解できぬお前が、そのようなことを言えるのか?」
『……あ、はは…確かに言えませんよ………けど、芥川君、貴方は僕を殺せない』
芥「………」
『僕が死 ねばそれなりにポートマフィアに穴が開くはず、それに……………"兄弟のように太宰先生の元で教えを戴いた仲"ですから』
芥「………」
芥川君は無言で痛みで動けない僕を肩に担ぎ上げ、敦君に背を向けた
やっぱり、芥川君はとても優しい
こんなに芥川君が嫌だと思う言葉を連ねても、僕を見捨てないのだから
そのときだった
敦「…………待……………て…………………」
芥川君の目が大きく見開かれ、ばっと敦君の方を見る
芥「どうして………」
芥川君が振り向いた衝撃で、元々ぐらぐらしていた頭がさらに揺すられて意識が朦朧としてきた………
また気絶するのか……僕………
今日の文豪名言集
死ぬということは、生きているよりいやなことです。けれども、喜んで死ぬことが出来れば、くだらなく生きているよりは幸福なことです 谷崎潤一郎
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きこ(プロフ) - 27位おめでとうございます!凄いですね!尊敬です♪ (2016年7月4日 1時) (レス) id: c334518b24 (このIDを非表示/違反報告)
蒼眞凪(プロフ) - 霰さん» コメントありがとうございます!!更新頑張ります! (2016年7月3日 18時) (レス) id: 975f835996 (このIDを非表示/違反報告)
霰 - 続編おめでとうございます…!更新頑張ってください……!! (2016年7月3日 17時) (レス) id: 090d49de5e (このIDを非表示/違反報告)
蒼眞凪(プロフ) - 悠誠さん» ありがとうございます!!頑張ります!コメントもありがとうございます!!!! (2016年7月3日 16時) (レス) id: 975f835996 (このIDを非表示/違反報告)
悠誠(プロフ) - この作品凄く面白いです!国木田さん関連作品少ないので凄く嬉しいです!!頑張って下さい! (2016年7月3日 13時) (レス) id: d7a17771ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雨宮碧音
作成日時:2016年7月3日 12時