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肆拾弐行目 ページ6

僕は、国木田さんに渡されたメモ帳に情報を書き込み、パタンと閉じた

『…行こう 賢治』

宮「はい!早く戻りましょう!」

僕は腰をぬかした男を一瞥し、来た道を走った






______________________





国「誘拐を目撃した観光客がたまたま撮影したものです」

国木田さんは広いテーブルの上に貨物自動車の写った写真を置いた

諭吉先生がその写真を手に取り、顎に手を添えながらじっと見つめる

福「……有触れた(タイプ)だ」

国「はい 車台番号(ナンバー)も偽造でした しかし横浜でこの手の偽造業者となると限られます」

国木田さんが僕に目で合図をする

僕は先ほど情報を書き込んだ手帳を手に立ち上がる

『…心当たりの修理業者に僕と賢治で聞き込みに行きました…皆さん快く教えてくれました』

『…貨物自動車の所有者はカルマ・トランジット …密輸業(ミュール)上がりのず運び屋です』

福「其奴らに聞けば輸送先が判る か」

国「はい」

頷きながら、国木田さんは携帯電話を取り出した

相手はカルマ・トランジットの本拠地へ偵察に向かった潤一郎くん

所々携帯から漏れる潤一郎くんの声は小さすぎて聞き取れない

国木田さんは真剣な顔から眉間に皺を寄せた

国「芥川だ……糞っ」

カルマ・トランジットは口封じのために皆殺しにされたらしい

ホワイトボードのカルマ・トランジットの文字に、赤くバツ印が付けられる

これで唯一の手がかりは消えてしまった

こういう時こそ、乱歩先生の頼り時なのだけれど……乱歩先生は未だ敦くん奪還に否定的な態度だった

協力は見込めない

さてどうしようかと社員が焦りを見せ始めた時、諭吉先生が席を立った

向かった先は乱歩先生の元

福「乱歩」

背もたれに体をあずけ、つまらなそうにゆらゆらと揺れていた乱歩先生は、近づいてきた諭吉先生を見ると体を少しだけ持ち上げた

テーブルの上に上げられた足元に、諭吉先生はパサりと写真を落とした

福「出番だ」

乱歩先生は顔をゆがめて写真を一瞥すると、手をひらひらと踊らせながら面倒くさそうに眉をひそめた

乱「やんないとだめ?」

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名無し83958号(プロフ) - すっごく面白いです!更新を今か今かと待ち望んでます。頑張って下さい! (2020年4月28日 19時) (レス) id: 4a83a3e4ca (このIDを非表示/違反報告)
雨宮碧音(プロフ) - 虚さん» コメントありがとうございます!近々再び更新を再開する予定なので気長に待っていただければ幸いです! (2019年9月19日 18時) (レス) id: e732f79f93 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - え、なんこれドチャクソ好きです。更新頑張ってください! (2019年9月19日 17時) (レス) id: 7c0e52b0b9 (このIDを非表示/違反報告)
雨宮碧音(プロフ) - クロッキーさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけてとても嬉しいです…!頑張ります! (2019年5月27日 15時) (レス) id: e732f79f93 (このIDを非表示/違反報告)
クロッキー(プロフ) - めちゃくちゃ好きです………!更新頑張って下さい! (2019年5月27日 12時) (レス) id: 3248997e70 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:雨宮碧音
作成日時:2018年9月21日 1時

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