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朱子は広島県の非術師家庭の生まれ。
片親育ちの元被虐待児であり、自分の父親の顔を知らない。
朱子の母親にとって、苹果朱子は望まない妊娠でしかなかった。
生まれた直後に母親の手によって殺されかけるが、いくら首を絞めても全く苦しむ様子がなく、包丁を持ち出しても体が再生して一向に死ななかったために殺害を断念される。
母親は想定外が過ぎて逆に頭が冷えたのか、そのまま捨てるようなことはしなかったが、その不気味な生命力と奇妙な髪の色から、朱子のことを人間とも、ましてや自分の娘などと思うことはとてもできず心底気味悪がった。
激しい暴力と罵倒は朱子の日常であり、満足に食べ物を与えられない日もザラにあった。
天与呪縛がなければ確実に心も体も死んでいるような日々を過ごしていたが、それでも物理的にも精神的にも朱子が傷つくことはなく、そんな子供を母親は尚の事底気味悪く思った。
酷い扱いを受けてきたにも関わらず、苹果朱子は母親のことが、普通の子供が親を無条件で愛しているように大好きだった。
年齢に対して小柄すぎたり、母親が学校等に拒否的で非協力的であったりと児童虐待の特徴はいくつかあったものの、当の朱子がそんなことを一切感じさせない程に天真爛漫な性格であったために周囲から疑われることもなかった。
記録−−2008年8月6日
8歳のときに呪霊被害に遭う。
呪霊の推定等級は二級であり、朱子母の負の感情が元となって発生したと考えられる。
母親は死亡。
首を捻られ、頭部と胴体がバラバラになった状態で発見される。
呪霊は傍にいた朱子の首を強く絞めていたが効果はなく、朱子が楽しげな様子で呪霊に話しかけていたところを、毎年この日に広島に派遣されていた呪術高専島根校所属の呪術師によって偶然にも発見、呪霊は祓われ朱子は保護された。
朱子母が実家との縁を完全に断っていたことから頼れる身内もおらず、またその特異的な天与呪縛による体質を考慮され、そのまま高専預かりとなった。
母親の墓参りには毎月行っている。
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