【黒バス】恋をして【宮地清志】

【four】 ページ5

薬品の香りがする。白で統一された、空間。
さっきまで私、体育館に居たのに。


「……。なんで私、こんなところに？」

上体を軽く起こしながらつぶやくと、

宮「俺が運んだんだよ。いーから寝とけ、じゃねぇと轢く。」

なんて言われたので、少し戸惑ったけど、轢かれたくないし…。私はすぐ横になった。
そんなことはないと思うけど、一応、言っておこう。

「…。宮地先輩。」

私はあまり、人に話しかけない。人が、怖いから。

宮「…。んだよ。」

「今日のこと、口外無用でお願いします。
　それと、あんまり、Aのことは探らないでください…。」

最後は声が、小さくなっていったかもしれない。
でも、言えたから、いいんだ。

いいんだ…。

そのまま私は目を閉じ、寝ようと思った。


のだが。

？「失礼しまーす」

「水崎さん…。」

驚いた。こんなところまで追ってくるとは…。
水崎―ミサキ―さんは、街で会ってからしつこく私をスカウトしてくる。
何のスカウトかというと、これ。

「アイドルスカウトなら前にもお断りしました。帰ってください。」

水「ふふふ、残念だがアイドルスカウトじゃない！」

じゃあなんなんだ…。とにかく、追っかけてこないでほしい。
非常に迷惑だ。

水「今日は、ネットで歌う人ｎ(「丁重にお断りさせていただきます。」

ぱらり、と紙が一枚、宮地先輩の足元に落ちた。
その紙を宮地先輩はとって、

宮「ふーん、なれば？アイドル。」

なんて、私の目を真っ直ぐ見て、言った…。

「宮地先輩、冗談ですよね？」

でも宮地先輩、冗談なんて全然言わないからなぁ…。

宮「いや、本気。」

……。あぁ、いいことを思いつきました。

「宮地先輩も、してくれるなら、やりますけど。」

巻き込み作戦です。

宮「…。別にいいけど。」

…。なんだかあっさり決まりましたね。
さて、さっきから水崎さんが空気化してますが大丈夫でしょうか。

水「Aちゃん、本当…！？ありがとう！
　 それにAちゃんの先輩さんも！」

…。全然大丈夫でしたね。
水崎さんは誰かに電話をかけて、私たちにOKサインをした。

家にいる時間が少なくなるのは嬉しいけど…。
とりあえず、水崎さんに聞いてみるかぁ…。

「…。あの、水崎さん」

水「どしたの？明日の予定はこんな感じかな、」

うわぁ、放課後事務所さんにあいさつしなきゃいけないのかぁ…。

どうしよう、上手くいけなさそうだ。

宮「大丈夫だ、」

その一言で、勇気がでた。

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