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遺憾 ページ9

案の定野坂は灰崎に突き飛ばされる形で倒れた


私は野坂を担架で運ぶ審判に
『すみません、私が治療します。』
そしてフィールド外に野坂を乗せた担架を降ろしてもらった

頭上に影が差した


『…何か用かな、雷門のマネージャーさん。』
私は野坂の怪我を治療しながら後ろの杏奈さんに声をかける

「…野坂君の容態は、どうですか?」
『君は此処で何をしている?』
「え?」

私は野坂の怪我を手当てし終わって杏奈さんに向き合った

『君は何故此処に立っている。』
「何故って…。」
『君は雷門のマネージャーだろ。何故敵の心配をする?』
「だって、野坂君はっ!」
『この際だから言っておく、お前は何のためにマネージャーになった。よもや遊びではないだろうな。』
私は静かに憤っていた

今までずっと感じていたことだ

彼女は雷門より野坂を優先しがちだ
私はそれを良しとしないし
野坂もその行動を良しとしないだろう
それは私たちにとって侮辱と同じこと
私達マネージャーの顔に泥を塗っている事と相違ない
この女は気付いていないのだ
だから私が言ってやらねばならない


『今は決勝だ。君達雷門と我ら王帝月ノ宮、どちらが勝つか決める大事な試合にお前は私情を挟むのか…!』
「!!」
『そんな奴はこの場には相応しくない。早々に退くがいい。』
私はそう言って野坂の方を向いた

『野坂、これを。』
「これは…?」
『一時的に病気の進行を停止する薬だ。』
「!?そんな物、どうやって…!」
『だが、』

『その薬の効果が切れた時、病気の進行が一気に進む。…もしかしたら即死するかもしれない。』
「!?」
『…使うかどうかは野坂が決めろ。』

私は狡い

こう言えば野坂は躊躇わない事が分かっているから


野坂は躊躇わなかった


「!うん。これならいける。」
『躊躇わなかったな。』
「勿論。君が持って来た薬だ。使わないなんてないよ。」
『…!』
「そんな悲しそうな顔しないでよ、僕は嬉しいんだ。」

野坂の手が私の両手を包む

「だって、最後まで戦えるから。」
そう言った野坂の顔は晴れ晴れとしていた

「けど、素直に死んでやるつもりもないから。」
『…野坂!』

「だからここで終わるわけにはいかない!」


そう言って野坂はフィールドに入った






続く

あとがき
杏奈アンチっぽいけどアンチじゃないんだなぁ
だって、皆思うでしょ?
なんで敵チーム心配してんのって
純粋に疑問だった
なんで誰も突っ込まないの!?
おこめがおかしいの!?

少し補足→←ファウルギリギリのプレー



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おこめ(プロフ) - 胡蝶蘭さん» だ、だよねー!全く、審判も仕事しろよなぁ。神聖なサッカーフィールドでアイツ等何してるんだよ…。TPOを考えろよ、TPO! (2019年2月3日 22時) (レス) id: bdc7861eff (このIDを非表示/違反報告)
おこめ(プロフ) - はのんさん» おこめもね、最初は悠茜だと思ってたの。灰崎が茜を好きで茜は野坂が好きで、て。三角関係を期待したのはきっとおこめだけじゃないはず…! (2019年2月3日 22時) (レス) id: bdc7861eff (このIDを非表示/違反報告)
胡蝶蘭 - おこめさん、間違ってないよ!決勝戦でどちらが優勝するか決めるのに敵ばかり心配して自分のチームを応援しないなんてマネージャーとしてどうかと思うよ!心配するなら試合終わってからでしょ?!選手でも無いのに勝手にフィールドに入ったら駄目だよ! (2019年2月3日 22時) (レス) id: 1fa4972d94 (このIDを非表示/違反報告)
はのん - 私はどっちかと言うと 茜ちゃんが好きなので 悠茜 派です笑 でも、最後の試合で野坂くんが倒れた時に杏奈さんが1番先に駆け寄った所はみてて同じ感想をもちました! (2019年2月3日 21時) (レス) id: ac926dc6e5 (このIDを非表示/違反報告)
おこめ(プロフ) - 未來さん» コメントサンクスです。やっぱり自分のペースで書くのが一番っすよね〜。 (2019年2月1日 20時) (レス) id: bdc7861eff (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おこめ | 作成日時:2019年1月28日 19時

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