王と皇帝は相容れない筈だった Ｕｌｔｉｍａｔｅ

悪魔と皇帝の思惑が絡む戦場 ページ12

私は西蔭と野坂を見る

フィールドの会話は聞こえないから憶測でしかないけど
彼らはようやく
サッカーの楽しさをその身に感じた

ああ、実に羨ましい


野坂と戦える彼らが

野坂の静かに燃える瞳に映ることができる彼らが



心底羨ましいのだ





ホイッスルが鳴り
野坂が攻め上がる


しかし
灰崎が激しいタックルで野坂を攻撃する

あまりの衝撃に野坂はフィールドに転がる
『っ！！』


「お前でもそんな顔をするんだな。」
『…嵐監督。』
「瞳孔開いてるぞ。…視線で人を殺せそうだな。」
『…ふ、ふふ、ご冗談を。私は何時でも冷静ですよ。』
いけないいけない
平常心平常心

これは彼らの戦いなのだから






剛陣がいつも通り
ファイアレモネードと言い撃った
だがやはり普通のシュートだったのだが

『…なんだ？何か、何かが可笑しい。…嫌な予感がする。』
剛陣のシュートに何か強烈な違和感を覚えたのは私だけではないらしい

西蔭も怪訝そうな顔で自分の手をを見た



万作がスパークウインドでブロックを飛ばし
奥入がザ・ラビリンスで突破した


雷門は確実に強くなっている
王帝月ノ宮を凌ぐほどに…！








そしてボールは小僧丸へ

小僧丸は新必殺
火だるまバクネツ弾を撃った


西蔭は王家の盾で奮闘したが
破られてしまった

悪い流れだ
完全に雷門のペースに持っていかれた


皆の顔に焦りが浮かぶ

案の定
野坂も例外ではない

彼はこのチームの脳だ
冷静でいてもらわなくては困るんだが…

『まぁ、今回ばかりは大目に見るか。』
私は笑みを浮かべ肩をすくめた


野坂は灰崎にボールをぶつけ
そこに膝蹴りを食らわせた

野坂にしては激しいプレーだな
そこまで熱くなっているのか


野坂のキングスランスが雷門ゴールに突き刺さった

だが、野坂が両目を押さえ後ずさる
『…っアイツ、無茶をする。』



前半終了のホイッスルが鳴った









私は野坂の手当ての為準備していたら
声が聞こえた


「そんなサッカー、楽しいの。」

周りの喧騒や雑音が消えたと思うくらい

その凛とした声は自然と私の耳に入ってきた









続く




あとがき
おこめは精神的に追い込まれると現実逃避したくなる

野坂専用のおざぶになりたい


顔面いっぱいに野坂のケツがあるんだぞ！？
サイコーじゃねえか！！！！

戦士達よ、勝鬨を上げろ→←騎士の思惑

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す