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『…なぎひこ』
な「…ちょ、その呼び方今日は…！」
私が突然なぎひこの名前で呼ぶと、あむが来てないか確認しながら焦っていた。
そのせいかなぎひこの声になっていた。
『分かんないの、いつも私だけドキドキしてて、』
な「え…？」
『ずるいよ』
な「何の話、？」
なぎひこは、俯く私の顔を覗いてきた。
私が涙目になっていることに気づくと、言って、というように私の手を握ってきた。
『なぎひこ、私、…』
そこまで言うと、あむが扉を勢いよくあけて入ってきた。
なにか焦っているようだった。
その瞬間、私は我に返った。
今、何言おうとした…？
私は何事もなかったかのように、お風呂行くね、と言ってその場を後にした。
それからお風呂をあがって部屋に戻ろうとすると、あむとなでしこが楽しそうに話してるのが聞こえた。
私は扉をあけようとしたがやめて外に行こうとした。
ば「Aさん」
『ばあやさん…』
振り向くとばあやさんがいた。
ば「どうなされたのです？目が赤くなっていますよ」
『あ、お風呂入ったからだと思います』
私は泣いたことをバレないように誤魔化した。
つもりだった。
ば「…ふふ。私の目は誤魔化せませんよ」
『…さすがですね』
そのままばあやさんは手招きをしてきたから、私はついて行った。
すると中庭に出た。
ばあやさんが座ったから、私も失礼しますと言って隣に座った。
ば「なぎひこ坊っちゃまのことですか？」
『…え？！』
なんと、1発で当てられ動揺して大声を出してしまった。
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作者名：柚 | 作成日時：2020年2月24日 19時
