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五日前にここに連れてこられてから、智くんは一部の先生と見張りの兵士としか、関わることがなかったそうだ

聖域に向かうための清めの儀式を受けたり、聖域での決まり事を色々と叩き込まれたり、とにかく毎日やることがたくさんで、今日だけが唯一の休息日なんだそう



「ごめんね、智くん。せっかくのお休みなのに、突然やって来たりして」

「なんで翔くんが謝るのさ。ここにずっと一人でいるより、翔くんと話せる方が、何百倍も楽しいに決まってんだろ」

「なら良かった・・・僕だけが嬉しいばっかりだったら、どうしようって思ったから・・・」


ほっと息をついた僕を見て、智くんは暫くにこにこと笑っていたけど、すぐに思い詰めたような顔をして、迷いながらもそっと僕の名前を呼んだ



「なあ翔くん・・・」

「うん、なあに?」

「父ちゃんと母ちゃん、元気にしてっかな・・・?」


僕はその問いに、一瞬戸惑いを隠せなかった



「うん・・・。おじさんもおばさんも、名誉なことだって、言ってたよ。でも・・・」

「でも?」

「やっぱり、悲しそう、だった・・・」

「そっか・・・そりゃ、そうだよな。お別れもなんも、出来てねえんだから」



くしゃりと、悔しそうに歪められた顔に、僕の胸もつきんと痛む



.


.


あの日、僕が村に帰ってきたときには、智くんの両親には既に、今年の唄い手に智くんが選ばれたことが伝えられていた


一人で学校から帰ってきた僕を見て、おばさんは黙って僕のことを抱きしめて、おじさんは智くんにそっくりの目を細めて微笑んだだけだった


でも、おばさんは肩を小さく震わせていたし、おじさんは爪が食い込むほどに手を握りしめていて、見ているだけの僕まで、息苦しくなる程だった

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しゅり(プロフ) - きよさん» きよさん、コメントありがとうございます! 翔くんについつい辛い役回りをさせてしまいがちで、申し訳ない限りです。 やっとこさ移行が完了しましたので、是非またお立ち寄りいただければと思います(*^^*) (9月22日 18時) (レス) id: 9366a89cfd (このIDを非表示/違反報告)
きよ(プロフ) - しゅりさん、お疲れさまです。お話し楽しく読ませてもらっています。翔くん健気すぎますね。身代わりになったとき智くんの気持ちを思うと辛いです。ハッピーエンドになると嬉しいですが、続きを妄想しながら更新お待ちしています。 (9月19日 14時) (レス) id: ae2dee5c90 (このIDを非表示/違反報告)
しゅり(プロフ) - あかりさん» あかりさん、コメントありがとうございます!一応金曜日頃までは更新予定ですので、引き続き足を運んでもらえたら嬉しいです(*^^*) 数日お休み頂いたら、また毎日更新頑張ろうと思いますので、是非楽しみにしていて下さい! (9月16日 21時) (レス) id: 9366a89cfd (このIDを非表示/違反報告)
あかり - 毎回更新されるのを楽しみにしています。移行のためしばらくお休みされるのは残念ですが、待つ時間も楽しみたいと思います。 (9月16日 14時) (レス) id: 43ef596bac (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:しゅり | 作成日時:2020年8月30日 16時

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