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「そうだ。この前リハビリ学会があってね。ほら、先週末はリハビリ休みだったでしょう」
「うん」
「オレたち理学療法士の最近のトピックスと言えば、HALしか無いんだけどさ。古い型のを一つ頂いてね。・・・ロボットスーツって言った方が、分かるかな」
“ロボットスーツ”
その単語に一瞬身体に力が入るものの、僕はおとなしく榊さんの後をついて行く
「昔の型だから少しごつく見えるけど、機能面は最新型にも劣らないよ」
案内された先にあったのは、丸みを帯びた真っ白なボディーの機械
脚全体を覆う形のそれは、想像していたよりも柔らかな印象を僕に与えた
「これが・・・」
父さんと母さんが目指してきた、ロボットスーツ
「一番最初に見せるのは、櫻井くんだって決めてたんだ」
榊さんはゆっくりとロボットスーツに近づき、何かを弄りながら
「これはね、櫻井夫妻直々の贈り物なんだよ」
「え・・・？」
思わず目を見開く僕に、榊さんはゆっくりと話してくれた
演説者として学会に呼ばれていた父さんに、榊さんが質問をしたこと
開発に至った経緯と櫻井の名前に、もしかしたらと僕の話をしたこと
そして学会から二日後に、病院宛にロボットスーツが届けられたこと
「こんな話して卑怯だなって自分でも思うよ。でもね、一度でいいから試して欲しい。理学療法士として純粋に、櫻井くんに必要だって思っているから。でも、だからって無理強いはしたく無い」
「・・・」
僕の気持ちを優先してくれる榊さんの優しい眼差しに後押しされて、長い沈黙の後、僕は小さく頷いた
実際に使ってみた感想は、驚きの一言だった
脳から伝わる『足を動かせ』という電気信号を拾い上げて、ロボットスーツにその信号を伝える
すると、ロボットスーツはその信号に従って
実際の動きをサポートしてくれる
榊さんの説明でどんなものか想像はしていたけれど、そんな簡単なものじゃなかった
ただ真っ直ぐに歩くだけなのに、こんなにも違うなんて
こんな・・・軽やかに歩けるだなんて
短い距離を数回往復しただけなのに、その凄さを十分過ぎるほどに感じることができた
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しゅり(プロフ) - ポン太さん» ポン太さん、コメントありがとうございました。私も大好きな作品なので、今でもこうして愛して頂けて作者冥利につきます。素敵な乾燥ありがとうございました！ (2021年8月30日 6時) (
レス) id: 9366a89cfd (このIDを非表示/違反報告)
ポン太(プロフ) - しゅりさんはじめまして。今更ながらこちらのサイトに辿り着き読ませていただきました。…もう、感動の一言。ストーリーに凄く引き込まれました。泣いてしまいました（笑）このような素敵な作品に出会わせていただきありがとうございます…！ (2020年8月31日 23時) (レス) id: 487612dcba (このIDを非表示/違反報告)
しゅり(プロフ) - くっきーさん» くっきーさん、素敵なコメントありがとうございました(*^^*) どこか芯のある作品、それを目指して書いてきたので、そう言っていただけると本当に嬉しいです！ 読んでいただき、ありがとうございました！！ (2017年4月11日 19時) (レス) id: afce0e0771 (このIDを非表示/違反報告)
くっきー(プロフ) - はじめまして。一気に読ませて頂いて、涙が止まりませんでした。繊細だけれど芯のある力強いお話。素敵な作品に出会えて幸せです。ありがとうございました！ (2017年4月9日 2時) (レス) id: d3adf69549 (このIDを非表示/違反報告)
しゅり(プロフ) - はなさん» はなさん、コメントありがとうございました！この作品が、はなさんの中で特別な何かになれたのなら、こんなに嬉しいことはありません。勿体無いくらいのお言葉、ありがとうございます。また書く余裕ができたら、そちらでお会いできることを楽しみにしています(*^^*) (2017年4月6日 23時) (レス) id: afce0e0771 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しゅり
| 作成日時：2017年3月12日 18時
