三日目・4人目の来訪 ページ40
次の火曜日。兄弟4人で登校。
土曜の夜は妹のおかげで眠れなかったが、日月としっかり睡眠をとったので今日は元気。
病院に勤務していた時の方が寝れなかった。
すやすや夢の中に落ちた途端に鳴り響く呼び出しのコール音。人命がかかっている故、文句も言えず。寝ぼけた声で肯定を繰り返し、緊急出勤。
たとえ僕がAの夢を見て幸せになっていようが、患者の容態はそんなのお構い無しだ。
無慈悲。
学校に着いて、クロウが「姉様から離れたくありマセン」と3年教室までついて行こうとしたが、シークに「ガキはあっちだ」と追い払われ、やむなく2人と別れた。僕は素直に小会議室へと向かい、生徒ファイルを熟読した。
今日面談を行うのは2人だったかな。
妙になついてくれた凛月君と、仙石忍くん。
凛月君のデータは既に覚えているので読み飛ばし、忍くんのデータを読む。
すると、まず彼の写真のある部分に目がいった。
えっ、手裏剣持ってる
これがJapanese Culture。格好いい。
僕は幼少期、母の祖国のドイツで育ったため、今まで日本文化に全く触れることがなかった。
だから、影羽の家の神社も勿論、興味津々なのだ。
手裏剣って、忍者の武器みたいなものだよね。
普段から所持してるのかな。もし良かったら本物を見せてほしいな。
今から会うのがとても楽しみだ。
心を踊らせ読み進めると、
部活:忍者同好会
こんな部活、僕が在学していた時には無かった。何だこの素晴らしい同好会は。
早く忍くんと話がしたいな。
はやる気持ちを抑えて待つ時間は異様に長く感じる。こういう時は落ち着いて細かい作業をするのが一番だ。僕は邪念を無にし、生徒のプロフィールを読んで時が経つのを待った。
数回チャイムが鳴り僕の集中力が大分削がれてきた頃に、待ちわびていた忍くんがやって来た。
「し、失礼するでござる」
「どうぞ。こんにちは」
肩を縮こまらせ、部屋内をチラチラ落ち着かない様子で見回している。ここに来る子は皆、緊張しているようだな。緊張を解す香でも焚こうか。
忍くんを写真で見た時は片目が髪で隠れていたのでクールな印象を抱いたが、本人に会ってみるとクールなイメージより可愛さが目立った。かつてのシュトラのメンバーのカナンから毒気を抜いたみたいな子だ。可愛い。
「青海ジゼルです。宜しくお願いします」
僕はいつものように笑顔を忘れず、当たり障りのない話題から振り、やがて本題に入った。
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流離いのsecret(プロフ) - ぎゃぁぁ本当だ……!ご指摘ありがとうございます! 細かいところまで読んでいただき嬉しいばかりです笑 (今後気を付けます笑) (2019年7月13日 22時) (レス) id: 451ca50573 (このIDを非表示/違反報告)
しか - ごめんなさい。「混沌」でした!! (2019年7月13日 21時) (レス) id: 3bc0209618 (このIDを非表示/違反報告)
しか - 「悩み」の話の「敬人」が「敬斗」になってますよ(コソッ面白かったです。これからも頑張ってください! (2019年7月13日 20時) (レス) id: 3bc0209618 (このIDを非表示/違反報告)
流離いのsecret(プロフ) - ありがとうございます!頑張ります!(語彙力ない)笑 (2019年6月24日 14時) (レス) id: 451ca50573 (このIDを非表示/違反報告)
ゆん - 面白いです(語彙力ない) (2019年6月23日 21時) (レス) id: 19c16fa711 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:流離いのsecret | 作成日時:2019年5月2日 14時