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5分休憩 ページ33

僕は防音室の壁に寄りかかり、彼らの邪魔にならないように黙って目を閉じて耳を傾けていた。
特別下手な歌声が混じっているわけでもなく、寧ろ各々の声が調和されてひとつのまとまったハーモニーが部屋中を満たしていた。

僕らシュトラは、4人の声を合わせるとどうしても勇我の声が飛び出てしまっていたのだ。
流石、と言うべきか。あの元気と突っ走り感は僕には真似出来ない。
他の二人のメンバー、影羽とカナンも静かな子だったから、結果的に勇我のパワフルボイスが目立ってしまうのだった。

比べて彼らKnightsは、ユニットとしての歌が出来上がっている。
悩む事はない。
あとは司くんが納得出来るよう、何とか言葉を付け足してそれを伝えるだけだ。
そう頭の中で整理して目を開くと、ひとつ問題が浮かび上がってきた。
表情だ。
歌声には直接関与しないが、視覚的な面で不安を感じさせるものがある。自信の無さが表れてしまっているのだろう。

「じゃあ、5分後に再会な!」
レオくんが休憩の合図をする。
僕は司くんに歩み寄り、
「司くん」
「は、はい!」
彼の頬に人差し指をつん、と触れて上に押した。
「もうちょっと笑った方が良いかな。ね?」
凄く柔らかい。もっと触りたい。
湧いた感情を無視して、笑いかけた。
「ひぇ……」
押し上げた頬がみるみる赤く、熱をもってきた。どうしてだろう。
ああ、歌うとアドレナリンが分泌され神経が興奮状態になり、それに伴って頬が紅潮するからか。
長らく歌っていなかったからこんな単純な理論も忘れていた。

僕達から少し離れた場所で
「やだ……性格までイケメンだなんて……」
なるちゃんは、恍惚とした声で呟いた。
「天は二物をどうこうって言うけど、優遇しすぎじゃない?」
なんて呆れたふうに言いながらスマホのシャッター音を鳴らし続ける泉くん。
「神様は理不尽だからな」
頷くレオくん。
僕の知らない間で会話が繰り広げられていた。

「ズルい、俺にもやって」
凛月くんが甘えたがりの猫みたいにすり寄って来た。
「ふふ、良いよ。ほら」
先程と同じように頬をふに、と上げてやる。
彼は嬉しそうに顔を綻ばせた。
「やった」
「はぁ、可愛い……」
やわらかくて白くて、すべすべで。
まるでAみたいだ。
ああ、本当に可愛らしい。このまま首を絞めてしまおうか。
指が欲望に動かされて首へかかる前に、僕はそっと指を離した。

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流離いのsecret(プロフ) - ぎゃぁぁ本当だ……!ご指摘ありがとうございます! 細かいところまで読んでいただき嬉しいばかりです笑 (今後気を付けます笑) (2019年7月13日 22時) (レス) id: 451ca50573 (このIDを非表示/違反報告)
しか - ごめんなさい。「混沌」でした!! (2019年7月13日 21時) (レス) id: 3bc0209618 (このIDを非表示/違反報告)
しか - 「悩み」の話の「敬人」が「敬斗」になってますよ(コソッ面白かったです。これからも頑張ってください! (2019年7月13日 20時) (レス) id: 3bc0209618 (このIDを非表示/違反報告)
流離いのsecret(プロフ) - ありがとうございます!頑張ります!(語彙力ない)笑 (2019年6月24日 14時) (レス) id: 451ca50573 (このIDを非表示/違反報告)
ゆん - 面白いです(語彙力ない) (2019年6月23日 21時) (レス) id: 19c16fa711 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:流離いのsecret | 作成日時:2019年5月2日 14時

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