小説の「文」の書き方講座

二十三歩目「格好いい漢字と読める漢字って別物なんだぜ」 ページ24

誰にでもあると思います。とにかく漢字を使いたがる時期！特に小説の書き始めなんかは、小説を書くこと、いっぱい漢字を使うことって格好いいと思い込みがちです。
あぁ、始まる黒歴史の予感……かくいう私も黒歴史の大量生産、しておりました。

でも、ちょっと待って。それ、読める？それ、見やすい？

某横浜が舞台の異能力文豪バトルものであれば、難しい漢字も一昔前の小説で使われていた漢字も使い放題ですが、おまえのそれ、異能力文豪バトルの二次創作じゃないだろ？(そう、私の二次創作にこのジャンルはないです)

何故、何処、此処、其処、之……はさすがにいないと思いますけれど、この辺りはわざわざ漢字にすると、読みにくい場合が出てきます。カッコいいですけどね！翡翠月の感性はいまだ厨二なので……。
でもカッコいいからって実際使ったりはしません。読みにくいの知ってるから。

鮪も漢字で出てきたら、一瞬「ん？」って思いませんか？読みは「まぐろ」ですが。
「鮭、鮪、海老などは定番のネタだ」よりも、「しゃけ、まぐろ、えびなどは定番のネタだ」の方が読みやすいです。絶対に。難しい漢字が出てきた時の一瞬の「ん？」は、読者の集中力に致命的なダメージを与えます。
連発したら尚更です。物語への集中力が切れちゃいます。少なくとも私は切れます。

難しくない漢字でも、漢字にしなくても意味がちゃんと伝わるものについてはひらがなやカタカナの方がよかったりします。今の「鮪の〜」のくだりで言うと、「出る」「方」「時」「尚更」が該当しますね。ひらがなの方がすっきりして読みやすくなります。

が、なんでもかんでもひらがなにすればいいというものではありません。はぁ〜〜出たよ、翡翠月の語りかた！！すーぐ言ったことをひっくり返すわね。

すみません、でもこうすると続きが気になるでしょう？(こら)
こういう手も小説内で使えたりするのでぜひ吸収してくださいね！
あ、ちなみに「是非」は絶対にひらがなの方がいいです。

本題に戻りますが、ひらがなばっかりだと、こんなふうにぎゃくによみにくさがばいぞうしてしまいます。よくないですね。

だから、漢字がたくさん詰まっている箇所では、ひらがなでもよさそうな漢字をひらがなにしてください。
逆にひらがなが多いところは、普段漢字にしない部分も、読める範囲で漢字にしてください。

漢字にする基準は、自分が初見で見て、調べなくてもすぐに読めるか、です。漢字テストをやっていると思ってください。

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