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和「ありがと」
「どういたしまして」
和「えっらそー(笑)」
「なにぃー」
和「なにー？」
「うわー」
ふふん、って笑ってバカにして
言い返すと、なんか文句あんのって
かわいい顔
ダメダメ
和くんには敵わない
和「どうしたの？」
「今日はお兄ちゃんのお祝いに来たの！」
和「それはもう知ってるけど」
「和くんに会いに来たんじゃないよ！」
和「誰もそんなこと言ってないよ(笑)」
「こっち見ないでー」
和「なんだとお前」
「お前って言わないでー」
和「なんだとA」
「うう、だいすき」
からかって満足したら
後は知らんぷり
和くんはずっとそう
小さい頃から
お兄ちゃんと大ちゃんと和くんは仲良しで
だから私も仲良しで
保育園のときからずっと4人だった
わたしは物心つく前から3人が大好きで
中でも和くんは特別すきだった
年上の3人は一個だけしか違わないのに
随分大人びてて
追いつきたくて必死だった
必死で追いかけてた
3人はわたしを妹として可愛がってくれて
和くんもそれは同じで
それだけ、で
和「ともみ、メロンパン半分ちょーだい」
知美「えー」
和「焼きそばパンと半分こ」
知美「それならいいよ、はいどうぞ」
和くんが、仲原さんを好きなことには
すぐに気づいた
中学のときは
誰のことも好きじゃない、みたいな和くんだったのに
一年離れてただけで
和くんはすごく変わってて
その気持ちは
まっすぐに仲原さんに向かってる
大ちゃんと仲原さんが付き合ってるのに
和くんは仲原さんがすきだ
仲原さんが和くんをすきじゃないことが
わたしにとっては
どうしようもなく嬉しくて
どうしようもなく苦しい
知美「Aちゃん、パンありがとう。すごく美味しい」
仲原さんが嫌いになれないことも
どうしても悔しい
智「トモ、さっき弁当食ってたよね」
知美「智だっておにぎり2個食べてた」
チョコパンを食べてる大ちゃんを
仲原さんは愛しそうにみてる
仲原さんは大ちゃんが本当にすきだってわかる
和「ともみと大野さんじゃ肉の付き方が違うでしょ」
知美「ひどい！」
和くんが仲原さんを
ともみ、って呼ぶと
心臓のあたりがズキズキ痛む
和くんがかわいそうで泣きたくなる
わたしの気持ちも
かわいそうで泣きたくなる
お兄ちゃんが、よしよしって
頭を撫でてくれて
顔を上げたら
大丈夫だよ、って言うみたいに笑った
心がほっとした
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作者名：モナ
| 作成日時：2015年11月21日 13時
