..*25 ページ25
.
松本くんのもとに駆け寄ると
なんだか、何とも言えない、みたいな表情で
ドラキュラの格好だといつもより迫力がある所為か
見たくないもん見た、って感じ？
「松本くん？」
潤「…お前、客は？」
「…まだー」
今度は、こいつマジむかつく、って目
すっごい睨まれる
こわい！
はーって深呼吸みたいなため息をついて
戻るぞって踵を蹴られた
ちょびっと乱暴
潤「ずっとアイツと喋ってた？」
「あいつって、和くん？ううん、最初はお兄ちゃんと大ちゃんとー、仲原さんも」
潤「ふーん」
松本くんと歩いてると
女の子がみんなチラチラ振り返るのに気づいた
こんなとこに男版仲原さんがいた
お兄ちゃんと一緒にいても視線は気になるけど
やっぱ松本くんもイケメンなんだー
気づいてるのかな
「すごいねー」
潤「何」
「松本くんすっごい見られてるよ？」
潤「ああ、そうだな」
ツンツンとがった切り返し
お客さん呼ばなかったこと、すごい怒ってる！
「手とか振ったり、笑いかけたりしないの？」
潤「なんで？」
「お兄ちゃんはするの、こういう時だけ」
潤「こういうって、今日みたいな特別な日？」
「そう！サービスする時としない時で、分けてる」
潤「へー」
「女の人がね、告白とかするでしょ？」
潤「うん」
「そういう時は、とりあえず笑っとくって言ってた。たぶん今日も」
潤「それ以外は」
「普段はね、目を合わせないようにするんだって、変に勘違いされたら困るって」
潤「…へえ」
松本くんがちょっと考え込む
ん？何か変だった？
それってさー、って考えたまま
潤「別に好きな人いるってこと？」
「え？」
潤「だから俺のこと好きになんなよ、ってことかな」
「…そうなの？」
潤「さあ？」
お兄ちゃんに？好きな人？
そんなの、考えたこともなかった
それってなんだか
さみしい
もやもやっとした気持ちを
思いっきり心の中で吹き飛ばして
そいうえばって切り出した
「松本くんは、全然愛想とか振り撒かないタイプなんだね！」
潤「意味ないからね」
「でも、女の子とは普通に接するでしょ」
潤「必要最低限の会話くらいなら」
「それでもモテモテなんだからすごいよね！」
ね！って笑ったら、呆れ顔で苦笑い
照れてるのかな
松本くんはたぶん誰にだって優しいからモテるのかも
今も、わたしにちょっと怒ってるのに
こうやって歩幅を合わせて歩いてくれる
いい人、すごく
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 250人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：モナ
| 作成日時：2015年11月21日 13時
