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委員が決まった翌日から、もっちーと相葉くんは、放課後はバタバタ忙しそう
実行委員会は毎日あるらしくて二人が嘆いてた
一応文化部なのに、美術部は何もしない
作品を展示できる人はすれば、みたいな感じ
だから急いで仕上げないと！って時間に追われることはない
筆と墨を取り出して、書道に取り組んでる大ちゃんに、小声で話しかけてみた
「ねえ、大ちゃん」
智「んんー？」
咳払いと一緒に返事
手は動かしたまま
「うちの部長って誰なの？」
智「…部長？Aじゃない？」
「えっ、違うよ！新入部員だもん」
智「俺ら以外に部員いんの？ここ」
「いると思ってた！」
智「二人きりの部活だと思ってた」
「いつも二人だもんね」
智「ん」
大ちゃんがどこからか長ーい半紙を持ってきて、そこに筆を乗せる
デカデカと『睡眠不足』って書いた半紙を机の上において
新しい紙に、今度は丸を書きまくる
多分、大筆が楽しくなったのかな
丸に飽きて、大野って書き出した
「ねえ、大野部長？」
智「大野部長って、俺か」
どうやら四字熟語が他に浮かばなくて丸を書いていたみたいで
今度は、『大野部長』って四文字の言葉を書き始めた
変なの
「明日から文化祭一週間前でしょ？」
うちの学校は、一週間前から授業を潰して文化祭の準備期間に入る
「美術部の仕事はないかな」
智「何もしねーもん」
「じゃあ、放課後はクラスの準備に参加していい？」
智「うん、Aが来ねーなら俺もクラスの手伝う」
「大ちゃんのクラス、コスプレ喫茶だっけ？」
智「翔ちゃんがすっげ張り切ってんの」
「去年もそうだったよ」
智「この時期、翔ちゃんキラキラしてっから(笑)Aのクラスは？」
「お化け屋敷！来てね！」
智「おばけ屋敷？うーん、知美怖いの苦手だからなあ」
大ちゃん、仲原さんと回るんだ
そっか、そりゃそうだよね
急に胸がモヤモヤ
「そっかあ」
智「…んでも、暇あったら、ニノ誘って行くかな」
「和くん？怖いのきっと来ないよ(笑)」
智「行くよ」
墨で黒くなった指先が触らないように
手の甲の方で、ぽんぽんと頭を撫でられた
よしよしって私を慰める
大ちゃんは、私が仲原さんを苦手なこと、気づいてるんだきっと
大ちゃんの好きな人を、好きになれないなんて最低
それでもコラって怒らないのは、大ちゃんの優しさだ
大ちゃんが好きになる人が
嫌な人なわけないのに
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作者名：モナ
| 作成日時：2015年11月21日 13時
