23.悔しい気持ち ページ25
この代で臨んだ甲子園は、決勝戦まで勝ち上がった。
決勝戦は惜しくも敗れてしまったけど、感動の試合だった。
静かに涙を流す成宮先輩と原田先輩。
もう代が変わってしまうんだな、改めて感じた。
今までずっとやってきた仲間が引退して居なくなる。それはとても変な気持ちになる。
日本の頂点まであと1つだった。
ここまで登りつめたのはすごい事で、逆にあと1つで逃した点に置いては、凄く悔しい事だったに違いない。
じわ…と目の奥から感じる熱いそれ。
頬を伝って、地面に落ちていく。
やっぱり、悔しい。
悔しい。
私は誰も居ない所で、そっと目を覆った。
あれから何分経ったのだろうか。
気づけば目の前には、あの人がいた。
「白河…先輩…」
涙は止まるどころか、さっきよりもポロポロと零れる。
「…」
そっと抱き寄せられ、先輩の腕の中。
ずっと黙ったままだった。けれども、何処かに安心感があった。
温かい。
しばらくそのままでいた。
「帰るぞ」
そう言って手を差し出す。
私はその手を握った。
白河先輩を見ると、先輩は顔を逸らした。
…どうしたんだろう?
頭に?を浮かべつつ、部屋へと戻る。
ー
「終わっちゃったんだね…」
「あぁ…」
いつもとは違う日奏のしゅんとした顔。
そんな顔を見る事は滅多になくて。
でも、心から何かが抜けたような感覚が、負けたという実感を湧かせる。
「寂しいなぁ…」
寂しさと悔しさを紛らすように微笑む日奏。
本当は悔しくてたまらないのだろう。なのに、無理して笑ってる。
そんな感じがする。
「無理して笑う必要ない」
そう言うと、日奏の目からはポロポロと涙が零れた。
ほらやっぱり。
「別にさ…心配されたいって思って泣いてる訳じゃないからね…そこ、勘違いしないでよ…」
心配されたくないって思ってても、バレバレ。
ガキだからな。
いつも笑っている日奏が、悔し涙を流している。
それが心のずっと奥にツンと突き刺さる。
そんな顔するなよ。
こっちまで悲しくなってくるだろ。
…なぁ、いつもみたいに笑ってくれよ。
泣いてる顔なんて見てられない。
泣いてる顔なんて似合わない。
あの笑顔が好きだから。
言いたかったけれども、日奏の泣き顔を目の当たりにして言えなかった。
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希望(プロフ) - アメジストさん» ありがとうございます<(_ _)> (2017年1月3日 17時) (レス) id: 81354004c7 (このIDを非表示/違反報告)
アメジスト - てかものすごい絵上手ですね (2017年1月3日 16時) (レス) id: 36e88b3d43 (このIDを非表示/違反報告)
希望(プロフ) - アメジストさん» イケメンにし過ぎました(笑) (2017年1月1日 23時) (レス) id: 81354004c7 (このIDを非表示/違反報告)
アメジスト - 白河メチャイケメンで泣けるww (2017年1月1日 22時) (レス) id: 36e88b3d43 (このIDを非表示/違反報告)
希望(プロフ) - はい。この小説を作った後にトーカちゃんの事を知ったので、物語の中盤で髪型を変えさせて頂きました。私のミスです!今後このような事が起こらないように気をつけます(><) (2015年7月13日 21時) (レス) id: b0e2c90b13 (このIDを非表示/違反報告)
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