番外編. 髪の毛 紙の毛 神の毛 ページ17
ご存知の通り、黒柳京華の片目は髪の毛で隠れている。
特に理由はない。
特に理由なんてものはない。
そして彼女は、決して人の前で両目を見せたりはしない。
しない、というよりしたくない、の方が近い。
彼女の謎のプライドが許せないらしく。
だがしかし、両目を見た者が1人だけいる。
白河だ。
ー
全ては日奏の一言から始まった。
「京華ちゃんは両目を見せたら輝く！」
「…ゴホッ」
つい、飲んでいたお茶を吹き出しそうになる。
それが気管に入ってむせ返る。
「確かにそうかもしれないな…」
「ちょ、カルロス先輩何言ってるんですか！」
「そうかもしれない」
「成宮先輩まで…」
その場にいる先輩達が口々に言い出す。
唯一私の両目を見た白河先輩の視線が痛い。
「て事でさ、京華ちゃんの素顔を見てみよー！のコーナー」
「ね！いいでしょ？」
「嫌です」
「えー！」
「樹投げますよ！」
「ちょっと待って！俺は投げないでね？！」
8分後ー
もうこれは、拷問なんじゃないかって思うくらいの状況。
成宮先輩に軽く脅迫されたので、仕方なく引き受ける事に。
「最初から大人しくしてくれれば良かったのに！」
「煩いです」
「さ、やるべー！！」
柊先輩がいろんな意味で怖い笑顔で近づいてくる。
それに軽く背筋が凍る。
「…ひっ！」
「だーいじょうぶー怖がらなくてもー…」
「その笑顔が怖い」
髪の毛を耳にかけられ、両目がちゃんと見えるようにピンも付けられる。
途端、私のもう片方の視界が一気に明るくなる。
鮮明に映しだされる先輩方、と樹。
「ほらやっぱり！」
「いっそこのままでいーんじゃねぇの？」
「嫌です」
「照れてないでっ！」
「別に照れてなんか…ないし」
その後神の毛髪の毛だとか言って、とことん弄られまくった。
私は顔を真っ赤にして部屋に逃げ帰った。
布団にくるまっていたら、今度は白河先輩に布団を引っ張られ、滅茶苦茶だった。
「白河先輩も両目にしてみて下さいい！！」
「ヤダ」
「不公平ですっ！」
「ヤダ」
布団の引っ張り合いで、白河先輩の髪が揺れてほんの僅か目が見えた。
私の痴態がとことん晒された夜だった。
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希望(プロフ) - アメジストさん» ありがとうございます<(_ _)> (2017年1月3日 17時) (
レス) id: 81354004c7 (このIDを非表示/違反報告)
アメジスト - てかものすごい絵上手ですね (2017年1月3日 16時) (レス) id: 36e88b3d43 (このIDを非表示/違反報告)
希望(プロフ) - アメジストさん» イケメンにし過ぎました(笑) (2017年1月1日 23時) (レス) id: 81354004c7 (このIDを非表示/違反報告)
アメジスト - 白河メチャイケメンで泣けるww (2017年1月1日 22時) (レス) id: 36e88b3d43 (このIDを非表示/違反報告)
希望(プロフ) - はい。この小説を作った後にトーカちゃんの事を知ったので、物語の中盤で髪型を変えさせて頂きました。私のミスです！今後このような事が起こらないように気をつけます(＞＜) (2015年7月13日 21時) (レス) id: b0e2c90b13 (このIDを非表示/違反報告)
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