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15.俺だけを見て ページ16

こんなに想っているのに…。

君は、それでも気付かない訳なの?


「京華ちゃーん!」


いつも通り、京華ちゃんの元へ飛んでいく。
だけど京華ちゃんは、白河みたいに顔をしかめてこう言う。


「先輩うるさいです」



相変わらずお口が悪い京華ちゃん。でも、そこが京華ちゃんの事を気に入ってるとこでもある。




いつからなのかは分からないけれども、俺はこの子に恋をしている訳で。



叶わない恋だと分かっていても。
それでも、伝えたいこの気持ち。




聞いてくれる…?



京華ちゃん。







「京華ちゃん。後でさ、屋上に来てくれない?」

「え…まぁいいですよ」


訝しげな顔をしつつも答えてくれた。



「ねぇ白河、鳴ちゃん…」

「柊、止めるな」




近くには、日奏ちゃんや白河が居た。
彼らは今は話し掛けるべきではないと、わざわざ距離を取ってくれていたみたいだった。



「成宮先輩?用事って何ですか」


青い髪をたなびかせて訊く京華ちゃん。


これから、伝える。


「あのさ、京華ちゃん」

「何ですか?」

「白河の事、好きなの?」




自分でも思いがけない言葉が出てきてしまった。
言う予定など全くなかった言葉。
京華ちゃんは、ビクッと肩を揺らす。


「そ…そんな訳…」

「分かってるよ、それくらい」


言いながら、京華ちゃんとの距離を縮めていく。
彼女は、驚いた表情のまま動かない。


「それでも…」


彼女の白く柔らかい頬に手を添える。


「俺は…京華ちゃんの事が好き」


京華ちゃんは黙り込む。


「無理しなくていいから」

「先輩…私…私は……」


震える声で言葉を紡ごうとする京華ちゃんは、何かを躊躇っている様で。


「京華…」


口を開く。


「私は…恋なんて全然分かんないです…だけど、成宮先輩は…ずっと、私の尊敬する先輩です…。こんな私だけど…これからもよろしくお願いします」

「うん…」

「ごめんなさい…」


その「ごめんなさい」には、色々な意味が込められているのだろう。

なんでだろう。酷く心に響く。


「ちゃんと言えて良かった。だけど…俺だけを見て欲しかった…な」





想いは、全部伝えられた。
伝えられたから、後悔はしていない。




後悔はしていない。
好きだった、京華。






笑顔で上を見上げながら、自然と溢れる涙を拭う。
俺は、失恋したんだと改めて感じた。



じりじりと太陽が、カッコ悪い「成宮鳴」を照らしていた。

番外編. 髪の毛 紙の毛 神の毛→←14.兄妹


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希望(プロフ) - アメジストさん» ありがとうございます<(_ _)> (2017年1月3日 17時) (レス) id: 81354004c7 (このIDを非表示/違反報告)
アメジスト - てかものすごい絵上手ですね (2017年1月3日 16時) (レス) id: 36e88b3d43 (このIDを非表示/違反報告)
希望(プロフ) - アメジストさん» イケメンにし過ぎました(笑) (2017年1月1日 23時) (レス) id: 81354004c7 (このIDを非表示/違反報告)
アメジスト - 白河メチャイケメンで泣けるww (2017年1月1日 22時) (レス) id: 36e88b3d43 (このIDを非表示/違反報告)
希望(プロフ) - はい。この小説を作った後にトーカちゃんの事を知ったので、物語の中盤で髪型を変えさせて頂きました。私のミスです!今後このような事が起こらないように気をつけます(><) (2015年7月13日 21時) (レス) id: b0e2c90b13 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:希望 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2014年9月14日 21時

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