34.悲しみと、後悔と。 ページ37
これは、随分と古い記憶。
あの一件の後…だろうか。
母はいつも泣いていた。そんな母の悲しそうな顔を、私はずっと見ていた。
父と離れたくなかったと。あの頃に戻りたいと何度も零していた。
10年以上たった今でも…時々。
後悔しているんだろうな…。
ー
樹から聞いた。京華に何かがあった。
でもそれが何なのか、全く分からない。
白河あたりが何か知っているんじゃないかと思い、白河の部屋に走る。
ガチャッとドアを開けるなり言う。
そこには、カルロスと白河がいた。
「白河?樹から聞いたんだけど…」
言いながら白河の隣まで歩み寄る。
「…!!…それ、昔の京華と……白河?」
「!」
ここで全てを察した。樹が見た京華の様子と、それの正体を。
その事実は、俺としても信じられない事だった。
受け止めるのは、そう簡単には出来ないだろう…な。
沈黙に包まれる一同。
突然、大きな音がして、目尻に涙を湛えた日奏ちゃんが入ってくる。
「京華が…!」
震え声で言おうとする彼女だか、言葉に詰まってしまう。
「落ち着け日奏!どうしたんだ!!?」
涙で顔をぐしゃぐしゃにしながら、口を開いた。
「京華が…いなくなった……!」
ー
誰もいない野原で。
自分がここまでどうやって来たのかは、全く覚えていない。
つー…と頬を流れる涙。
なんで泣いているんだっけ。
どうしてこんなに辛いんだろう。
寒さが冷え切った身体を震わせる。
頬を流れている涙が、次々と点となって地面に落ちていく。
気がついてしまったんだ。
「好き」という感情、それだけが私を苦しめているんだ。
記憶の欠片が浮かんでは消え、消えては浮かぶ。
ささやかな優しさも、時々見せる微笑みも…。
全てに魅入られてしまったんだ。
断片的に浮かぶ彼と過ごした時間。
怖い。辛い。
記憶が波のように押し寄せて来て、思わず目を瞑る。
記憶の中の「おにいちゃん」と「白河先輩」が重なっていく。
赤くて綺麗な髪の毛も、鋭い目元も────
全部、全部同じだったんだ。
あの時と全く同じだった。
記憶という名のの無数の点と点が、まるで流れ星が流れたかのように繋がった。
でも、それが怖くて怖くてたまらない。
だから、自分の中に隠していくしかない。
彼との距離を置くしかない。
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希望(プロフ) - アメジストさん» ありがとうございます<(_ _)> (2017年1月3日 17時) (レス) id: 81354004c7 (このIDを非表示/違反報告)
アメジスト - てかものすごい絵上手ですね (2017年1月3日 16時) (レス) id: 36e88b3d43 (このIDを非表示/違反報告)
希望(プロフ) - アメジストさん» イケメンにし過ぎました(笑) (2017年1月1日 23時) (レス) id: 81354004c7 (このIDを非表示/違反報告)
アメジスト - 白河メチャイケメンで泣けるww (2017年1月1日 22時) (レス) id: 36e88b3d43 (このIDを非表示/違反報告)
希望(プロフ) - はい。この小説を作った後にトーカちゃんの事を知ったので、物語の中盤で髪型を変えさせて頂きました。私のミスです!今後このような事が起こらないように気をつけます(><) (2015年7月13日 21時) (レス) id: b0e2c90b13 (このIDを非表示/違反報告)
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