33.それぞれの心情 ページ36
ふらふらとした足取りで無意識に辿り着いたのは、柊先輩の部屋。
「失礼します」と言ってドアを開けると、琴引先輩はいた。
いつもの場所に、いつもの人がいる。
ただそれだけの事が、私にとってはすごくありがたい事で。
「…どうしたの？」
「ちょっと…いろいろと混乱しちゃって」
「白河の事？あたしで良ければ聞く」
私は柊先輩に、今まであった事全てを話した。全てを吐き出すかのように。
話している間、柊先輩は黙って頷いてくれた。
「そっか…辛かったね」
「私、これからどうしたらいいんですか…？」
言葉が一瞬だけ痞える。
我慢していたのにゆらり、と視界が滲む。
深く俯いて、日奏からは京華の表情が見えなくなる。
京華の言葉に何も答えられなくて、奏は京華の肩をそっと抱き寄せる。
ー
くそ…！何なんだ─────
京華に一体何があったっていうんだ…！
苛立ちと焦りに眉間に皺を寄せる。
それでも、何も解決はしない。
取り敢えず自分を落ち着かせるべく、部屋に戻る。
ドアを開ければ、当然誰もいない室内。
これが、無機質な空間に思えてくる。
カチャ…とドアが開く音がして、音がした方向を見ると、カルロスが入ってくる。
「…一体何があったんだよ……」
「俺にも分からない」
「鳴とか日奏あたりが何か知ってたり…なんて」
「柊なら何か知ってるかも」
ふと視線を泳がすと、視界の端に何かが入った。
目を凝らしてみると、どうやらそれは写真のよう。
落ちていたそれを拾い上げてみる。
「何それ」
「写真…？」
訝しげに思い、それを見てみると─────
「なっ…！」
「…？！」
再びカチャリ、と開くドア。
ー
京華の話を本人から聞いた。
話をしている京華の声が、か細く震えていた。
聞いた時、あたしは驚きを隠せなかった。
それは多分、京華が1番信じられないと思っているのだと思う。
あたしは、彼女に何も言えなかった。
どう言ってあげればいいのかが分からなかった。励ませるような言葉が見つからなかった。
何を言ってあげるのが正解だったのか。
不正解しかなかったのだろうか。
開けた窓から、風が吹き込んでくる。
「京華…？」
呼んだ。呼んだのに返事がない。
後ろを向くと─────
誰もいなかった。
「え…うそ…京華…？！」
焦りだけがあたしを支配していった。
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希望(プロフ) - アメジストさん» ありがとうございます<(_ _)> (2017年1月3日 17時) (
レス) id: 81354004c7 (このIDを非表示/違反報告)
アメジスト - てかものすごい絵上手ですね (2017年1月3日 16時) (レス) id: 36e88b3d43 (このIDを非表示/違反報告)
希望(プロフ) - アメジストさん» イケメンにし過ぎました(笑) (2017年1月1日 23時) (レス) id: 81354004c7 (このIDを非表示/違反報告)
アメジスト - 白河メチャイケメンで泣けるww (2017年1月1日 22時) (レス) id: 36e88b3d43 (このIDを非表示/違反報告)
希望(プロフ) - はい。この小説を作った後にトーカちゃんの事を知ったので、物語の中盤で髪型を変えさせて頂きました。私のミスです！今後このような事が起こらないように気をつけます(＞＜) (2015年7月13日 21時) (レス) id: b0e2c90b13 (このIDを非表示/違反報告)
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