27.日奏の恋愛理論 ページ29
「柊先輩の元気がない」
それは、とても珍しい事だった。
いつもは笑っているのに今日はなんでだか笑顔が見られない。
「様子…見に行ってきます」
「待て」
手を掴まれる。
「あいつなら大丈夫」
「え…?」
その時私には、白河先輩の言った言葉の意味が分からなかった。
まぁ白河先輩が大丈夫って言うなら大丈夫…なのかな。
ー
『もしもし』と電話に出たのは、あたしの幼馴染。
毎日電話してるだけあって、これが自然と習慣になっていた。
いつもは他愛のない話をしたりするけど、今日は、君に聞いてほしい事がある。
君にしか話せない事がある。
「もしもし綾?遅くにゴメンね」
『なんだよ。なんかいつもの日奏じゃないな』
「そーかなぁ?」
戯けてみるけれども、やっぱり隠し切れない。
『何かあった?』
「あぁ、んーとね…」
ー
「…こんなとこかな」
『…』
「あれ、綾?」
『…お前さ、もうちょっと素直になれよ』
「は?素直だけど??」
『誤魔化すなよ。お前、何でも抱え込みすぎ』
「…そんな事、ない」
見透かされたかのようだった。
全てがお見通しで、虚勢を張る事しか出来ないあたし。
だけど綾は、こんなあたしにもしっかりと向き合ってくれる。
『いいや天邪鬼だ。なんで自分の思ってる事言わないの。お前の話聞いてくれる人はいるだろ?言いにくいのは分かるけど、少しは頼れよ』
「でも」
『伝えてこい。…きっと聞いてくれるはずだから。自信を持って』
「…うん」
鼻をすすりながら、綾にありがとうと言う。
…彼を呼び出す。
呼び出した場所で、あたしは。
「日奏?どうした?」
落ち着け、落ち着くんだ。
すぅ…と息を吸う。
「えっと…その、うーんと、あの、その…うううう」
恥ずかしくなって俯く。
「す…」
「?」
「す…好きです……」
今にも消えそうな小さな声、でしか言えなかった。
目を合わせられない。だめ。だめ。
「…俺も」
「え…」
「日奏が好き。付き合ってください」
心の中で何かが弾けたんだ。
湧き上がってくる変な感情を、拳で握り締めて。
「はい…」
ちゃんと言えたからすっきりした。
あたしの背中を押してくれた綾。ありがとう。
それは、初めての恋だった。
いつも黒くてデカくて露出狂なのに、その時はなんだかカッコよく見えた。
ー
翌日、柊先輩は元気になっていた。
いつもとは違う、笑顔でいた。
私は…どう思っている?
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
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希望(プロフ) - アメジストさん» ありがとうございます<(_ _)> (2017年1月3日 17時) (レス) id: 81354004c7 (このIDを非表示/違反報告)
アメジスト - てかものすごい絵上手ですね (2017年1月3日 16時) (レス) id: 36e88b3d43 (このIDを非表示/違反報告)
希望(プロフ) - アメジストさん» イケメンにし過ぎました(笑) (2017年1月1日 23時) (レス) id: 81354004c7 (このIDを非表示/違反報告)
アメジスト - 白河メチャイケメンで泣けるww (2017年1月1日 22時) (レス) id: 36e88b3d43 (このIDを非表示/違反報告)
希望(プロフ) - はい。この小説を作った後にトーカちゃんの事を知ったので、物語の中盤で髪型を変えさせて頂きました。私のミスです!今後このような事が起こらないように気をつけます(><) (2015年7月13日 21時) (レス) id: b0e2c90b13 (このIDを非表示/違反報告)
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