猫なで声に油断ならぬ。*M.A* (ページ9)

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「部屋に入れたぁ？！」

今度は部長がいるときで二人して睨まれた。美那ちゃんと頭を下げてまたパソコンのディスプレイに隠れた。

「それはダメですよ！ダメ！絶対！」

「何？そのスローガンみたいな言い方。」

「先輩！真面目に聞いてください！」

部長の咳払いに慌てて喋るのをやめてスマホの画面上で会話。これは結構お手のもので、全くバレてなさそう。
美那まだ騙されてる可能性を残しておかないと!
Aどうして?そんな感じにはならないから大丈夫だよ?
美那ならない保証はないですよ!いくら元猫だったとしても、今は人間の男なんですから!
A平気だってー!ご心配ありがと!
美那(#`皿´!!

そこから美那ちゃんの既読スルーの嵐。
そういう関係になるわけないのに、美那ちゃんは考えすぎだよ。
やっとスルーされなくなった頃にはもう帰る時間。美那ちゃんはずっと怖い顔のままで私に「絶対部屋に上げちゃダメですよ！」って念を押して帰っていった。今夜は合コンらしいけど、あんなに怖い顔で大丈夫かな？

私とまぁくんは、そんな風にならない。傷を癒してくれる大切な存在ではあるけど、美那ちゃんのいうような気持ちを持つなんて、絶対ない。

「おかえり、Aさん♡」

「ただいま、まぁくん。」

これが私たちの関係。僅かな時間を共有する大切な存在。一緒にいれるだけで幸せだもの。